今や知名度は全国区、名産「淡路島たまねぎ」のシーズン到来
スーパーで1年中見かける「淡路島たまねぎ」。春の早生(わせ)である「新玉ねぎ」の次に収穫時期がやってくる、中生(なかて)・晩生(おくて)のタマネギがシーズンを迎えた。
5月下旬から6月にかけて収穫される中生、晩生は、艶のある茶色の皮をまとった長期保存が可能なタマネギ。春の「新玉ねぎ」に比べて辛味成分は増すものの、熱を加えるとトロけるような食感と甘みが堪能できる。
島のタマネギ農家のひとつ「2525ファーム」(兵庫県南あわじ市)では、100%有機肥料を使った特別栽培のタマネギを限定ブランド「蜜玉(みつたま)」として販売。
現在収穫に追われる中生や晩生の育ちが今年は特によく、代表の迫田瞬さんは「大玉でしっかりした肉厚のタマネギを、ぜひとも食べていただきたい」と語る。
また、総合公園「ウェルネスパーク五色」(兵庫県洲本市)の農園では、毎年5月から6月下旬までタマネギの収穫体験を実施。体験は無料で、今年は収穫量1kg/300円で購入できる。園内にはオートキャンプ場もあり、農園担当の小椋さんは、「採れたてのタマネギをアルミホイルで丸ごと包んで焼き、ポン酢で食べると格別です」と話した。
タマネギ作りが盛んだった大阪の泉州地方から伝わったとされ、この島でタマネギの集団生産が始まったのは1923年。今では北海道、佐賀県に続く全国3位の生産量を誇り、甘く・柔らかく・みずみずしい、と三拍子揃ったおいしさが人気だ。
初夏を迎える頃に、たくさんのタマネギを吊り下げた「タマネギ小屋」が見かけられるのは、淡路島の風物詩で、こうして風通しのよい場所で長期乾燥することにより、島のタマネギは余分な水分が抜けて旨みが凝縮され、保存性も高まるという。
品種はもちろん、農家ごとに味わいもさまざま。食べ比べて、お気に入りを見つけてみてはいかがだろう。
取材・文/みやけなお
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