大阪市西成区の崩落「責任の所在を」免れた家屋は重機で倒壊

2021.7.2 06:15

残った1軒が今にも崩れ落ちそうな崩落現場。石垣の上には6件の家屋が存在していたが1軒を残し全て崩落(7月1日・大阪市西成区)

(写真8枚)

大阪市西成区で崩落した傾斜地斜面で、家屋が1件だけ残っていることへの対応について、大阪市は7月1日の市長定例会見で発表。市は、近隣住民の避難など周辺の安全を十分に確保してから、7月7日に重機とワイヤーによって家屋を押し倒すという。

この日の会見で、急遽6月30日に市と大林組で緊急仮契約が交わされたことを報告。業者と建設局との間で施工方法について協議がおこなわれ、家屋の引き倒しが決定した。

工事期間(7月2日〜6日)は、崩れた傾斜地斜面の真下にある保育園は休園。解体当日は近隣住民も一時避難となり、松井一郎市長は「みなさんには大変負担をおかけしますが、児童の安全第一に考えた措置なので」と理解を求めた。

また、今回の工事費用については、警察の捜査によって明らかになった責任者に請求されることに。市の担当者によると、地場の状況や倒壊法などで変わるため、工事費用は決定していないという。

これについて松井市長は、「周辺の安全な環境を維持する、命にかかわる話。お金はできるだけ抑えるようにするが、ある程度の予算は必要になる。警察の捜査には全面的に協力し、責任の所在をはっきりさせたい」と厳しい表情を見せた。

取材・文・写真/岡田由佳子

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