中村倫也、劇団☆新感線の新作は「いろんな妖怪が出てきて楽しい」

2021.7.20 06:45

会見に出席した中村倫也 ー撮影/田中亜紀ー

(写真5枚)

大阪が生んだ人気劇団・劇団☆新感線が、歌舞伎を意識した路線『いのうえ歌舞伎』の新作として、『狐晴明九尾狩(きつねせいめいきゅうびがり)』の上演を発表。出演者の中村倫也、向井理、吉岡里帆らが出席した会見が17日、都内でおこなわれた。

稀代の陰陽師・安倍晴明(中村)と、九尾の狐に取り憑かれた陰陽師(向井)、晴明を助ける狐の精霊(吉岡)の戦いを、妖術とアクションたっぷりに描いていく本作。脚本の中島は、「倫也くんが主演の『いのうえ歌舞伎』なら、安倍晴明が合いそうだと。向井くんは烏帽子が似合うし、いいなあと思って」と、構想のきっかけを語った。

中村は、今回の出演について「2、3年ぐらい前からぬるぬると『こんなことやろうか』などと話してたのが、いつの間にか現実味を帯びてきた感じだった」と、2016年の新感線初出演以降、交流を保ちつつ主演の機会を探っていたことを明かす。

安倍晴明役については、「シュッとしてミステリアスで、何か『ハンパない』イメージ。昨日本読みがあったけど、いろんな妖怪が出てきてすごく楽しかったです。少しでも面白いものができるようにがんばります」と気合いを見せた。

また、『いのうえ歌舞伎』は『髑髏城の七人 Season風』(2017年)で経験済みの向井。オファーがあったときの感想を「2度目があるということは、1度目(の出演)で嫌われてなかったんだと思いました」と笑顔で話す。

しかし「台詞が膨大な量で、ちょっと(出演を)後悔しはじめてます(笑)。烏帽子ありの立ち回りも、去年の大河ドラマ(『麒麟がくる』)でやったけど、まあ大変で」という本音も。そのうえで「役者が苦労している作品こそ、観る人に喜んでもらえると思ってます。楽しい作品にしていきたい」と決意を語った。

そして、新感線初出演となる吉岡は、狐の精霊という役について「私は狐歴が結構長いので(笑)、今までやってきたことが、役に立つ日が来た! と思ったけど、台本を読むと『あれ? 私が知ってる狐と全然違う』という印象でした」と、あのCMとは一味違うキャラになることをほのめかす。

かつては、京都の小劇場で客演を中心に活動していた吉岡。新感線は観客として観ていたそうで、「演じるうえでは、緩急がすごく大事というイメージ。笑えるところの物量がすごくしっかりあって、お客さんを飽きさせないので、そういうパートを大事にした方がいいんだろうなと思います」と分析。

そして座長のいのうえは、本作について「満を持して、フルスペックでやる舞台。妖奇(あやかし)とか魔術が出る、非常にファンタジー色が強い作品になります。いろんな仕掛けがあって、面白い舞台になりますので、ぜひお見逃しなく」と呼びかけた。

『狐晴明九尾狩』は、ほかに浅利陽介、竜星涼、早乙女友貴などが出演。9月の東京公演を経て、大阪公演は10月27日~11月11日に「オリックス劇場」(大阪市中央区)で上演される。チケットはS席1万5800円ほか、9月26日から発売開始。

取材・文/吉永美和子

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