結成14年目・令和喜多みな実、芸を磨き生まれた「即興漫才」

2021.7.23 19:45

左から、令和喜多みな実の河野良祐、野村尚平

(写真5枚)

野村「『解散』が、15年目くらいのコンビのリアルな声」

──以前、YouTubeチャンネルで「このまま『M-1』で結果が出なかったら吉本での居場所がない。そうなったら解散かな」とおっしゃっていましたね。

野村:本来なら『M-1』を卒業して以降の活動の方がおもしろくなるはずなんですけど、なかなかそうはいかない。決勝にいかないと商品棚には並べてもらえないので、そこはいろいろ考えますね。でも、もちろんこのコンビでやる漫才が好きなんですけど、これからの自分の人生を考えたら「そこに執着しなくても良いかな」とも感じています。だけどこいつは『M-1』に出て、決勝へ行って、優勝したいはず。だったら一緒にコンビをやっている者として、彼の夢は叶えてあげたい。

河野:「もしかすると自分たちは『M-1』の舞台には向いてないんじゃないか」と迷いが出ることはあります。ただやっぱり『M-1』に憧れてこの仕事を始めたところもあるし、決勝の舞台に立ちたい。野村が話すように、吉本で漫才を続けていくなら、決勝は行かなければならないんです。それができなければ確かに解散もあるかもしれませんよね。

──今後も令和喜多みな実として漫才を続けようと考えている反面、意外と躊躇なく解散話をしたりしますよね。

野村:まあ、でもコンビってそういうもんなんです。こういうことを言うのは、本当は嫌なんですけど・・・、人生を賭して漫才をやっているんです。イチ職業ってわけじゃなく。自分の生き方として漫才をやっているから、「じゃあこの先どうするか」を考えるんですよね。

河野:どんな漫才コンビでも、そのすぐ隣には解散があるもの。実際に解散したコンビや、お笑いを辞めた人たちをたくさん見てきました。それは僕らにとっても決して遠くない話。別に解散をほのめかして気を引こうとも、悲壮感で言ってるわけでもない。これが結成して15年目くらいの漫才コンビのリアルな声なんです。むしろ僕らの場合、解散について普通に喋れるくらいの関係性になれた。仲が悪かったときは逆に無理だったはず。

野村:蓋をして話さないようにするものでもないからね。それに解散するなら、コンビとしてピークの時期に解散が一番格好良い。これはマネージャーさんには伝えているんですけど、「もし今年『M-1』で決勝に残ったり、優勝したりしても、翌朝の情報番組に僕の姿はないからそのつもりで頼みます」と話しているんです。有り金を使ってフラフラしに行こうかと。

河野:もしそうなったら僕がひとりでテレビに出ます(笑)。仲が悪いときだったら、「お前、ふざけんなよ」と首根っこをつかむけど、今なら「野村がいないんです、すみません!」と言えるので。

野村:そしてこいつは悲劇のヒーローとしてチヤホヤされて、息の長いタレントになっていくんでしょうね。

河野:そうなれるように頑張ります!

吉本大阪本社にて。全国ツアーは今回が初となり、7月24日より福岡を皮切りに、名古屋、東京、大阪と全国4カ所を巡る

『きたみなのしゃべくり旅』:7月24日「よしもと福岡 大和証券/CONNECT劇場」(福岡市中央区)、31日「大須演芸場」(名古屋市中区)、8月11日「紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA」(東京都渋谷区)、27日「なんばグランド花月」(大阪市中央区)にて開催。当日チケット3300円ほか、オンライン配信(名古屋を除く、2000円)あり。FANYオンラインチケットにて販売中。

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