コロナ禍で「抜け毛」が急増? 生活習慣やケアの注意点とは

2021.9.15 06:15

「D クリニック大阪」の鈴木雄一郎院長(左)と薄毛対策に真剣に向き合う記者

(写真3枚)

新型コロナウイルスの感染拡大により、初めてリモート帰省を試みることを決めた8月。家族とは約2年ぶりの再会ということもあり、緊張の面持ちで挑むも母からの第一声に悶絶した。「久しぶり」「元気にしていたか?」などではなく、「ハゲとるやないか!」。メガトン級の先制パンチに動揺した私は、家族との会話もどこか上の空で、簡単な近況報告のみで終了した。

しかし、モニター越しに見る「自分の額」は、確実に数センチ上がっていることに気づく。「マズイ」と現実を受け止めたとたん「どうしたら・・・」と、いてもたってもいられなくなり取材を決意。薄毛治療をはじめとした施術をおこなう「D クリニック大阪」(大阪市北区)の鈴木雄一郎院長に、藁をもすがる思いで聞いてみた。

──実は、2年ぶりにリモートで再会した母に髪が薄くなったことを指摘されまして・・・。モニター越しに映る自分を見て初めて気づきました。

そういった方は最近増えてると思います。それをきっかけに来院される方もいます。

──やはり・・・。コロナ禍で薄毛の治療をされる人は実際増えていますか?

今のところそれほどでもありませんが、コロナの影響で新しい生活様式になって増えてきている印象はあります。今後は増えるかもしれませんね。

──コロナ禍での自粛生活と「抜け毛」は関係ありますか?

あります。コロナ自粛がはじまってから、当院に「コロナによるストレスで髪の毛が束で抜ける」「髪の分け目が目立ってきた」などの相談が急増しました。20代~30代の方からの問い合わせが増えているのも「コロナ抜け毛」の特徴で、「コロナ抜け毛」は一時『Yahoo!』のトレンドワード1位になりました。

「D クリニック大阪」(大阪市北区)

──20代~30代の!?「コロナ抜け毛」の原因は何ですか?

運動不足による血行不良、自粛によるストレス、生活リズムの乱れによる、シャワー回数の減少の3つが主な理由として挙げられます。「コロナ抜け毛」はウイルス感染が原因ではなく、あくまでも在宅時間が増加することによる生活週間の乱れで起こるものだと考えます。

◆ 主な対策は3つ

──これから本格的に秋を迎えますが、抜け毛対策は何をすればよいですか?

主に3つの対策をオススメします。

1つ目は、秋の味覚を楽しみながら「良質なタンパク質」の栄養を摂取することです。髪によいとされる食材は、良質なタンパク質などの栄養素を豊富に含む「魚介類、豆類、海藻類、野菜類、ナッツ類、キノコ類、いも類」の7種類。これらの食材を意識することで、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、炭水化物を満遍なくとることができます。

──そうなんですね。例えば、どんな食べ物がありますか?

これら7種類に該当する秋の味覚は、「さんま」「さつまいも」「まつたけ」「落花生」などです。

──それなら日常生活のなかでも摂れますね。

2つ目は、自粛のなかでも1日6時間睡眠での朝型生活と適度な運動をすることが大切です。髪は寝ている夜10時〜深夜2時頃に分泌される成長ホルモンによって成長します。夜更かしをして睡眠時間がずれると、髪の成長を妨げてしまう可能性があります。

── その適度な運動とは?

ウォーキングなどの運動は、血流改善に大いに有効です。座りっぱなしが続いたときは、無理のない範囲でウォーキングやランニングなど軽い運動をおこなうとよいでしょう。

3つ目は、頭皮環境を清潔に保つことです。ベストは、正しいシャンプーを使って、毎日1回髪を洗うことです。それだけで「コロナ抜け毛」は防げます。もちろん個人差や季節によっても変わるので、髪の様子をみて判断してほしいです。

「D クリニック大阪」で販売されているシャンプーなど

──え・・・朝と夕、1日2回髪を洗っているのですが・・・

1日に何回も洗いすぎると、保湿成分の皮脂を取ってしまい過剰分泌のサイクルに陥るケースも。激しい運動をしなければ1日1回、夜の洗髪に絞りましょう。

オンライン会議などが増えた昨今、同じような状況に陥っている人は多いのではないだろうか。自粛生活で余った時間を有効活用するうえでも、これを機に生活習慣を見直すのも良いかもしれない。

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