感染減でも宣言延長の大阪、次に備え「保健所のひっ迫想定」

2021.9.10 06:45

「第58回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議」の様子(9月9日・大阪府庁)

(写真2枚)

緊急事態宣言が9月末まで延長されることを受け、大阪府の対策本部会議が9月9日に開催。府の感染状況は減少傾向にあり、さらなる医療提供体制の強化や第6波に向けた準備を進める方針を固めた。

府内の感染状況は、連日2000人を超える新規陽性者が発生。9月1日には3004人の過去最多を記録していた。

しかしそれをピークに減少し、直近1週間では前週比0.78倍に。宣言延長について吉村洋文知事は、「宣言を延長させ、この減少傾向を確実にし、医療体制のひっ迫を改善させたい」と話す。

第5波では軽症中等症病床や宿泊療養施設をはじめ、陽性の妊産婦にも対応できる病床、小児病床も増床。

さらに、連絡が取れない自宅療養者への安否確認や、ホテル療養者へのオンライン相談・診療の拡充といった、体制強化がおこなわれた。

次の波に備えて吉村知事が懸念するのは、今回、宣言の解除基準が新規陽性者数の変動注視から病床のひっ迫を重視することに変わったたこと。吉村知事は「正しい方向性だと思うが、重症化する人を救うキャパシティを増やす必要がある」と話す。

「今後、(1日の新規陽性者が)4000人〜6000人を社会として許容することも。(そうなると)保健所業務がより一層ひっ迫するため、保健所の体制を重点化することを想定したほうがいい」と課題を提示。

大阪市健康局の担当者は、「第4波の経験も踏まえ、(第5波では)1000人〜2000人にも対応できるよう先手をうったが、非常に厳しい状況になった。今後は、人手がかからない仕組みに移行できれば」と、解決策を探る意思を示した。

取材・文・写真/岡田由佳子

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