さいとう・たかをさん死去、堺名誉大使として初監修の企画展も

2021.9.29 14:30

「堺市立文化館ギャラリー」(堺市堺区)で会見をおこなう、劇画作家のさいとう・たかをさん(2014年8月撮影)

(写真1枚)

大ヒット漫画『ゴルゴ13』の作者で、劇画作家のさいとう・たかをさん(本名・齊藤隆夫)が9月24日、膵臓がんのため亡くなったことが公表された。84歳だった。

さいとうさんは1936年に和歌山市に生まれ、生後まもなく大阪の堺市に移住。中学卒業後は実家の理髪店で働いていたが、手塚治虫さんの『新宝島』に衝撃をうけ、マンガ家を志すように。1950年代後半、人気だった貸本漫画「日の丸文庫」の看板作家として次々と単行本を発表し、「劇画」というジャンルを確立させた。

1960年に制作会社「さいとう・プロダクション」を設立し、1968年には超A級スナイパーのデューク・東郷を主人公にした劇画漫画の金字塔『ゴルゴ13』を男性向けマンガ雑誌『ビッグコミック』(小学館)でスタート。52年以上にわたる長期連載で人気を不動のものにすると同時に、映画を参考にした分業制の制作システムを構築した。

2012年に故郷・堺市の「堺名誉大使」に就任し、2014年8月には「堺市立文化館ギャラリー」(堺市堺区)にて、初めて自ら監修した企画展『ゴルゴ13の世界』を開催。原画・複製原画をはじめ、ゴルゴ13が介在した事件・紛争をまとめた国際情勢年表、伝説的なスナイプやライバルとの対決などをセレクトした名場面集などを展示した。

「さいとう・プロダクション」は公式サイトにて、感染症の状況を鑑みて親族のみで葬儀を執りおこなったことを報告。また、ビッグコミック編集部は哀悼の意を表するとともに、『ゴルゴ13』の連載をさいとうさんのご意志のもと、スタッフと編集部が協力して、今後も継続する予定であると発表した。

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