神戸発の新リサイクルモデル、つめかえパック回収で16社と協力

2021.10.1 07:15

先行して専用の回収ボックスが設置されている「ダイエー神戸三宮店」※写真はイメージ

(写真14枚)

年々増加するプラスチックごみが問題視されるなか、神戸市は10月1日から大手企業らとタッグを組んだリサイクル・プロジェクト『神戸プラスチックネクスト~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~』をスタート。その概要について9月29日、参画メンバーが記者発表をおこなった。

全国に先駆けた同プロジェクトでは、シャンプーや洗剤など日用品の使用済みつめかえパックを回収する専用ボックスを神戸市内75カ所に設置。回収したものから、再びつめかえパックを作る「水平リサイクル」を実施し、資源循環ループの確立を目指していく。

会見で久元喜造神戸市長は、「世界的に深刻な海洋プラスチックの状況は、海の恵みを受けてきた海洋都市・神戸にとって真正面から向かいあうべき問題。プラスチックをどう再資源化するか、多くの企業らと手を携え、神戸から新たなリサイクルのモデルを構築していければ」と呼びかけた。

これまで酸化などを防ぐ多層構造のパックは、回収・再生コストを各企業が1社で負担するのは厳しく、従来のリサイクルが困難とされてきたという。同プロジェクトでは競合の垣根を越え、スーパーなどの小売、メーカー、リサイクラーの計16社が参画。メーカーを問わず一括して回収したものを元に課題や技術を共有し、リサイクル商品の実証販売を試みる。

つめかえパックのプラスチック・リサイクルの一例(写真は「花王」のもの)

6月30日から先行して回収ボックスが設置されている「ダイエー神戸三宮店」では、「主婦層を中心にきれいに水洗いをして持参してくれる方が増えています。これまで日用品パックは可燃物なのかプラ製品なのか迷う、との声もあったので分別しやすくなったのでは」と店舗の担当者は話す。

専用の回収ボックスは、神戸市内の「ウエルシア薬局」「生活協同組合コープこうべ」「光洋」「ダイエー」(一部の店舗を除く)計75店舗に設置され、回収に協力すると専用アプリ「イイことぐるぐる」でポイントが付与される(各種電子ポイントに交換可能)。

取材・文・写真/塩屋薫

『神戸プラスチックネクスト~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~』

参画メンバー (2021年9月29日時点)
神戸市、ウエルシア薬局株式会社、生活協同組合コープこうべ、株式会社光洋、株式会社ダイエー
アース製薬株式会社、花王株式会社、牛乳石鹸共進社株式会社、株式会社コーセー、小林製薬株式会社、サラヤ株式会社、P&Gジャパン合同会社、株式会社ミルボン、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社、ライオン株式会社
アミタ株式会社、大栄環境株式会社

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