岡田結実、伊野尾慧を絶賛「距離の詰め方に照れがない」

2021.10.9 17:15

「コロナ禍で仕事と自分への向き合い方が変わった。これまでは仕事が一番だったけれども、プライベートも充実してこそ人は成長できると思った」と岡田結実

(写真7枚)

「『しばらく役者はしたくありません』という感じでした」

──お話を聞けば聞くほど、瑠衣子になりきっていたように思えます。2021年6月公開の映画『ショコラの魔法』のときのインタビューをいろいろ読むと、岡田さんは役者としての自分への苦悩や葛藤をディープに語っていたじゃないですか。「気持ちがボロボロ」「一生下積み」とか。

そう思うと『准教授・高槻彰良の推察』は確かに吹っ切れてからの第1作目なのかもしれません。ドラマ『江戸モアゼル』(2021年)も、「もっとやれた」という気持ちもありました。

作品としては完全燃焼できたしすごくおもしろい内容だったけど、自分の演技に関しては悔しさがあったんです。あの時期は「演技がつらい」「もう嫌だ!」と落ち込みまくっていました。「役者ってなんなんだ、この心が擦り切れる職業は」と(笑)。

──追い詰められていたワケですね。

去年10月くらいからずっと、出演作品では現場でコテンパンになっていたんです。そして『江戸モアゼル』でバチーンと食らっちゃって。今だから言えるけど、「しばらく役者はしたくありません」という感じでした。『ショコラの魔法』のインタビューってちょうどそれくらいのタイミングでしたね。だけど、そういう溜まっていたものを『准教授・高槻彰良の推察』にぶつけることができました。

──岡田さんはそもそも、いろいろ先行するイメージがあるじゃないですか。『天才てれびくん』など子役時代のこと、バラエティ番組を中心にしていたこと、ご家族のことなど。そういう先入観を持たれている上で芝居をちゃんと見てもらい、評価されるのって大変なことだと思うんです。

そうですね、家族や、バラエティでの元気キャラの目で見ている人が多いことは分かっています。でもちゃんとお芝居をすれば、役者としての部分を見てくれる人は必ずいる。芝居をする上ではニセモノでありたくないと言うか。集中していない演技だとすぐにバレちゃう気がするんです。

だから、「こういう風に見られているだろうな」とは考えないようにやっています。一方で先入観を持つ人がいることで、「なるほど、現在はこういう風に見られているのか」と気づきにもなっています。だから決してマイナスにはとらえていません。

──確かに岡田さんは先行するイメージや情報が強いので最初はそういう目で見ちゃいますけど、ドラマなどではそれをどんどん忘れさせてくれる。演技をするという意味で、岡田さんは嘘をつくのが上手なんだろうなって。

わっ、バレちゃいましたか(笑)。

──ハハハ(笑)。それこそ『准教授・高槻彰良の推察』シリーズは嘘が大きなテーマでもある。深町尚哉は嘘を見破るし、嘘か真実か分からない怪異も出てくる。あと瑠衣子も塾のバイトのときはきらびやかに着飾るけど、本当は研究に没頭したいから見た目とか気にしたくない。表と裏の顔がある。

私は親からずっと「人に嘘をついてはいけません」と言われて育ってきたんです。でも思うことがあって、ドラマのなかで彰良先生も言っていたけど、優しさの嘘も存在するはず。良いように嘘を使えば人を守れることもある。つまり受け取り方、使い方ですよね。

──まさにそうですね。

この作品が伝えたいことってなんなのか考えたとき、「マイナスなものであっても、人の受け取り方や解釈でプラスに変わることがあるんじゃないか」って。私個人としては、そういう意味ではこのドラマは心が救われるところがある。観ている側に救いを差し伸べられる作品なんだなって。

常に笑顔で、リモート取材に対応。今回の現場は楽しかったそうで、「伊野尾さんがすごく良い方だったから、またどこかで出会えるようにがんばりたい」とコメント

──10月10日から始まる『Season2』では、事故から生き残ったことで「特別な子、奇跡の子」として崇められる少女が出てきます。岡田さんも子役出身とあって、小さいときから特別視されることがあったんじゃないですか。

テレビに出始めた頃、学校で「サインして」と校庭に列ができたことがあったんです。ありがたかったけど、でも今振りかえってみると辛さもありました。子どもですから、みんなと同じように学校に行ったり、生活したりしたかった。あのときは「自分の好きなことをやっているだけなのに、どうしてこういう風になるんだろう」と分からなかったから。

──子役としての活動は楽しかったけど、苦しみもあったということですね。

親もそれを理解してくれていました。それに「芸能界で活動していくのは良いけど、普通の感覚を持ち続けて欲しい」と言い続けていましたから。「ニンジンがちょっとでも値上がりしたら、『高くなって嫌だな』とか。そういう感覚を忘れないで」と。それはすごく大切な教えだなと思うんです。だからこそ『Season2』に登場する少女を見て、彼女の苦悩は少なからず分かりました。

──『Season2』の瑠衣子は、どういうところがポイントになりますか。

瑠衣子の感情の起伏がよりはっきり見えます。『Season1』で自分が作り上げた瑠衣子像とは違うものが出てきている。私としてもそういう感情的なお芝居が好きなので。「感情を揺さぶってくれて、ありがとうございます!」という感じで。特に、彰良先生の過去などに触れるときの瑠衣子の気持ちに注目してください。

「WOWOW×東海テレビ共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察Season2」

10月10日(日)スタート毎週日曜よる11時~放送・配信
(C)TOKAI TELEVISION/WOWOW INC.Co.,Ltd.

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