近畿大学に「大学生経営」のラーメン店、失敗できる場を

2021.10.10 09:15

10月4日に近畿大学東大阪キャンパス内にオープン。学生飲食店起業支援プロジェクト「KINDAI Ramen Venture 近大をすすらんか。」の初代店舗になる

(写真7枚)

「近畿大学 東大阪キャンパス」(大阪府東大阪市)に、学生が運営するラーメン専門店「近大をすすらんか。」が、10月4日にオープン。同大学によるベンチャー活性化の新しい試みとなっている。

同大学と学生らの合同企画による学生飲食店起業支援プロジェクトとして実現した同店は、発起人である初代店主・西奈槻さん(農学部水産学科3年)らグループが運営。今回の店舗は1年半だけの期間限定となり、今後は大学が1年ごとに次の学生店主を学内公募。学生たちが、ラーメン店経営にチャレンジする実学教育の場を目指す。

ラーメン店経営等のアドバイザーとして、アメリカのボストンで人気のラーメン店を経営する同大卒の大西益央(おおにしますお)さんが参加するなど近大関係者が一丸となってサポート。ただ、出店期間中は、4半期毎に決算をおこない、半年間赤字になった場合は原則撤退しなければならないという厳しいルールが課せられている。

彼らがこのプロジェクトを大学に提案したのは、2020年に奈良市内でラーメン店「すすらんか、すすらんか。」を起業したことからだそう。「就職だけではない学生の選択肢を増やす場」「起業した時に失敗しても良いチャレンジの場」として、あえて自分たちの失敗談をさらけだしてSNSなどで発信。学校では得れない経験を積んだからこそ、次世代にもつなげていきたいという。

訪れた、総合社会学部4年生は、「大学側がよく学生に飲食店起業の情報発信をしてくれています。今回のプロジェクトで経験を積んで、学校外でもがんばってくれる良いきっかけになる気がします」と話す。

西さんは、「まずは10万人の学生にラーメンを食べてもらえば、それだけ学生に選択肢を示せます。そして、近大だけでなく、全国の大学でこのシステムを真似して導入してもらえるようになれば。成長するために失敗を最短で繰り返せばいい、やるか、やらんかです」と想いを語る。

メニューは、地元・東大阪の業者が卸す国産ホルモンを使用した「初代近大ラーメン」(850円)と「近大まぜそば」(800円)の2種類を販売。店舗は東大阪キャンパスの「ブロッサムカフェ」内。営業は平日昼の11時~3時。土日祝や大学休暇期間は休業。現在は学生や教職員のみの利用だが、今後は一般にも開放する予定。

取材・文・写真/いずみゆか

「近大をすすらんか。」

住所:大阪府東大阪市新上小阪5−86 近畿大学東大阪キャンパス「ブロッサムカフェ」内
営業:平日11:00~15:00
※土日祝、大学休暇期間は休業予定
※コロナ禍のため、 一般は入校不可

「すするか、すすらんか。」
住所:奈良県奈良市南城戸町28-34
営業:平日18:00〜21:00、土日11:00〜15:00、18:00〜21:00 火曜休

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