桜井玲香、乃木坂卒業後の主演映画は「すごくリアルに感じた」

2021.11.20 17:45

映画『シノノメ色の週末』で主演をつとめる桜井玲香

(写真6枚)

「やるべきことは常に持っていたい」

──卒業後の進路も考えていたんですか。

演技のお仕事はしたいと思っていましたが、いざ卒業となったときに「本当にこの先、俳優としてやっていけるだろうか」とかなり迷いがあって。コンサートや握手会のない芸能活動はイメージできませんでした。だから、インタビューなどでも「卒業後はどうするんですか」と尋ねられたとき、「うーん、いろいろやってみたいです!」とはぐらかしていました。「俳優をやります」と言い切ると、後戻りできなくなっちゃうから(笑)。

──ハハハ(笑)。美玲は次のキャリアに向かう勇気がなかなか持てませんね。

現実的に考えると、美玲は厳しい立場にある。でも最終的な決断は自分で下すもの。やるかやらないか、それだけ。誰だって、自分の決断が1番の正解だと信じたいじゃないですか。

一ノ宮まり役の岡崎紗絵(左)、大月美玲役の桜井玲香 (C)2021映画「シノノメ色の週末」製作委員会

──確かに。しかし美玲は頑固なところもありますよね。友人のまりりんたちから「SNSのフォロワーをもっと気にした方が良いんじゃないか」とアドバイスをされたときも、素直にそれを受け入れられなかったり。

表に立つ仕事である以上、そういう数字ってすごく大事で。フォロワー数が何万の人と何千の人だったら、芸能界ではやっぱり何万ものフォロワーを持つ人に仕事が来ると思います。だからこそ、まりりんは美玲に「フォロワー数は?」と尋ねる。

一方で私は、美玲の「フォロワー数がすべてじゃない」という気持ちも理解できます。なので、どちらの肩も持てないというか。実際、今は芸能界に限らずフォロワーの数で何かが決まる状況も多いのではないでしょうか。そういう現実があるから、この作品はそのあり方について考えるきっかけを与えてくれます。

──桜井さんも数字は気になりましたか。

そこまで神経質に考えているわけではありませんが、気にしないように振る舞わないと、とか押しつぶされちゃいそうにもなって・・・。どのお仕事でも数字はついて回りますよね。だから、実はみんな一緒の悩みを抱えているのかなって。

──美玲は選ばれる人、選ばれない人の違いについて疑問をいだくようにもなります。ちなみに、桜井さんは乃木坂46ではキャプテンなど重要なポジションに選ばれてきましたよね。選ばれる側、選ばれない側にはどんな違いがあると思いますか。

私も選ばれないことはたくさんありました。決定的な何かはないと思います。どれだけ努力をしたかが重要でもない気がします。もちろん努力は必要だけど、選ばれる人はそれ以上に納得できるものがある。やっぱりそれって才能なのかな・・・と思ったりもします。ただ、こればかりは私も答えが見つかりません。

──美玲自身はそういった悩みをかかえながら、自分なりに将来への道を見つけていきます。桜井さんはこれからどんな道を歩んでいきたいですか

俳優であってほしいです。でも、もしかすると別のことをやっているかもしれない。成り行きに任せて、目の前のことをコツコツとがんばりたいです。ただ、やるべきことは常に持っていたい。何もない、という状況だけは作らないように生きていきたいです。

映画『シノノメ色の週末』

現在公開中
監督:穐山茉由
出演:桜井玲香、岡崎紗絵、三戸なつめ、ほか
配給:イオンエンターテイメント

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