元月組・龍真咲「個性が強かった」と振りかえり、心機一転の歌声

2021.11.25 21:15

月組博多座公演を観て、「やはり私たちがやっていたときと何か同じ匂いを感じ、同じ感覚に浸れました」と話す龍真咲

(写真3枚)

元宝塚歌劇団月組トップスターの龍真咲が、『はるかそよかの音楽に恋して meets 龍真咲』で、1年9カ月ぶりにコンサートの舞台に立つ。25日、大阪市内で共演者の林はるか(チェロ)・林そよか(作曲・編曲・ピアノ)と会見をおこない、出演理由や、宝塚時代のことなどを語った。

日本初演の『1789 -バスティーユの恋人たち-』に主演するなど月組を牽引し、宝塚卒業後も歌唱力を生かしてオリジナルアルバムを発売。2019年に結婚後は日本とモナコを行き来し、公の場で歌う機会はなかったが、今年9月に大阪府箕面市で音楽家の林姉妹が出演するコンサートを聴き、転機が訪れたそうだ。

「この2年間、コロナというものが自分の中にストレスとして積み重なり、少なからず苦しかったところから、パーッと解き放たれたんです。(演奏を聴いて)自然に涙が出ました。私ができることはやはり歌なのかなと思い、シンプルに『あぁ、歌いたい、いまだ!』と思いました」と打ち明ける龍。

同コンサートでは1部で林姉妹と音楽トークを披露、2部では2人が奏でるチェロとピアノに乗せて、龍自身が厳選した5曲を歌う。「おこがましいですが、私の声がひとつの楽器としてどういう三重奏を奏でられるか。選曲は悩みに悩んだのですが、宝塚の主演を務めていたころの思い出の曲や、どこかで聴いたことのある曲を、『耳福』という表現でお届けできたら」と、柔らかい表情で話す。

また、宝塚歌劇時代について「個性の強いタカラジェンヌだったと思う」と笑う龍。改めて当時の自身の歌を聴いて、理想としていたものと現実が違うことに気づいたという。「トップ時代より、2番手3番手のころのほうが丁寧に歌ってるんですよ。それを聴いて反省もし、そのころの想いを振りかえり、いいところ、悪いところを自分で分析しました」と語る。

今も月組の舞台はできる限り観劇しているそうで、今年の月組博多座公演も「遠征しました!」と笑顔。「花組・月組100周年記念公演(『Greatest Moment』)も配信などで見せていただき、時代は変わっても花組、月組のカラーがあるのを感じました。そういう故郷があるのは素晴らしいことで、大切な宝物だと、年数が経つほどに深く思います」としみじみとした様子に。

20周年の節目としても、「待ってくれているファンのために歌いたい。ひと味違ったクラシックコンサートを創っていきたいです」と、新たな一歩を踏み出す。同コンサートは2月19日、「サンケイホールブリーゼ」(大阪市北区)で開催。チケットは12月18日発売。全席指定5000円。

取材・文・写真/小野寺亜紀

『はるかそよかの音楽に恋してmeets龍真咲』

日程:2022年2月19日(土)14:00
会場:サンケイホールブリーゼ(大阪市北区梅田2-4−9 ブリーゼタワー7F)
料金:全席指定5000円
※12月18日(土)発売
電話:06-6341-8888(ブリーゼチケットセンター)

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