ラニーノイズ「今までで一番『人間味ある』アルバムに」

2021.12.1 20:15

Runny Noize(左から児玉とみー優也、洲崎貴郁、山田健人、フクシマテツヤ)

(写真6枚)

「芸人とバンド、分けているつもりはない」(山田)

──山田さんと洲崎さんは、お笑いコンビ・ラニーノーズとしても、「破壊とバランス」という役割なのでしょうか?

山田:考えてみたら、同世代でやっていない音曲漫才で芸人として始まっているんで。お笑いでもそこから破壊が始まってるのかも。単独ライブでも、僕のアイデアがぶっ飛んでしまうのを、洲崎が安定志向で収めてくれます。

──バンドマンと芸人、切り替えは難しくないですか?

山田:個人的には分けてるつもりはなくて。MCでは芸人全開で喋っても演奏が始まったら暴れたりするし、スッと切り替えているつもりです。

洲崎:でも、他人からの見られ方は変わっているかもしれません。やっぱりやってることは違いますしね。

山田:機材トラブルがあったときいくらでもトークで繋げられたので、そこは強みかもしれないです。でもやっぱりスケジュール調整が難しいかな。漫才を何本かしてからワンマンライブ、みたいな日もありました。児玉とテツヤがリハをしてくれて、僕らはお笑いの仕事が終わって飛び込みでライブハウスってこともあります。

洲崎:よく芸人とバンドマンを『両立してる』って言っていただけますけど。でもリハーサルはできてないし、これって両立って言っていいんかなって最近思い始めました。2019年とかは、全国のライブハウスにも行けたりしたんですけど、本来はもっといろんなところに行きたいんです。

山田:全国ツアーはやったことないし、そこが2つのことをやる難しさなんかな。

──芸人さんならではですね。でもこうやってお話をうかがっていると、テツヤさんと児玉さんも負けずに個性的だなと感じます。

山田:僕と洲崎よりもしゃべりますよ、2人は。僕らが黙って聞いてるくらいです。

児玉:ずーっと喋ってるしボケてます。

テツヤ:バンドマンって意外とおしゃべりなんですよ。

専門学校からの仲だというテツヤと児玉。卒業式の会場が、彼らが12月におこなうライブの会場「なんばHatch」だったという

「何かひとつ、いつもと違うことを」(洲崎)

──洲崎さんが制作された『The Name』は、ご家族について歌った曲だとか。結成当時は、そんな曲を作る自分を想像していましたか?

洲崎:してませんでしたね・・・。でも、結婚して子どもが生まれるってなったときは「作るやろな」と、どこかで思いました。基本的に曲作りはメロディーが先にできて、後から歌詞を乗せるスタイルなんですけど、この曲は「家族の曲を作ろう」という思いから作りました。

──表題曲の『音の鳴る方へ』は、山田さんが「歌詞が思いつかない」という気持ちをそのまま歌詞にしたと伺いましたが、バンドや音楽について歌っているようにも思えました。

山田:亀田さんプロデュースということで、ハードルも上がって。でも嘘をつくのは違うし。だから歌詞に苦戦したことを、そのまま歌いました。でもサビのはじまり以外は僕らが置かれている状態についても書いているので、どんな解釈でもアリです!

テツヤ:俺は音曲漫才のことだと思ってたけどな。亀田さんが山田に「それぞれのパートを歌うメンバーのことを思って書いてほしい」ってオーダーしたので、色々な解釈ができますね。

──とある曲では、それぞれの楽器を入れ替えた部分があるとか。

テツヤ:下手に演奏してみたい、って発想から始まり「お酒飲んでベロベロになって演奏しよう」となったけど、時間がなくて。そこで楽器チェンジすることになり、健人がドラム、洲崎がベース、僕と児玉がギターを弾きました。

──そうなんですね。今作は挑戦的な要素が多いように感じますが、何か意識されたことは。

洲崎:やっぱり亀田さんのプロデュースが、影響として大きいですよね。何かひとつ、いつもと違うことをしたいと思ったんです。僕の場合は「家族」を歌った『The Name』でした。

山田:僕はずっと作りたいなと思っていたホラーパンクな曲、『I fell in love with a ZOMBIE~俺はゾンビに恋をした~』です。アホなんですよ、基本的にホラーパンクって。そこをちょっとドラマチックにしています。叫び声とか銃声とか入ってて、スタッフさんも『ほんまに入れるの?』って感じでしたけど、そのまま入れました。ゾンビの声は某テーマパークでゾンビ役経験のある児玉が(笑)。

児玉:ここで経験が生きるんやって(笑)。

テツヤ:これまでやってないことを、各々でチャレンジしていくというアルバムになりましたね。ブックレットもページごとに自分たちでデザインしたので、これまでより人間味が出せたと思います。

──最後に、バンド初となる「なんばHatch」(大阪市浪速区)でのワンマンライブの意気込みを聞かせてください。

山田:「芸人やりながら音楽もやっていこう」って頃、四星球さんのライブを「なんばHatch」に観に行かせてもらってました。まだ当時はNSC生で、「ここに立ちたいな」って話してた場所で、芸歴9年目にしてライブができるのが感無量です。そういう意味でもいいワンマンライブにしたい。

洲崎:あんなでっかいところでやるのもはじめて。僕はメンバーのなかで誰よりも緊張するから、その景色を見てより緊張が高まってしまうんじゃないかなって。でもそれ以上に興奮して楽しめるだろうし、むしろ緊張さえ楽しみたいです。年末だけど、ぜひ来てほしいです!

今回のアルバムには新曲を含む15曲を収録。こだわりのブックレットにはメンバーの幼少期写真も

Runny Noize初のフルアルバム『HAKKIYOI!!!!!』は、12月1日発売。リリースを記念したワンマンライブは12月28日に「なんばHatch」にて開催する。チケットは3500円、現在発売中。

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