岡田将生「自分の家族を思い出す時間にしてほしい」

2021.12.19 08:45

『ガラスの動物園』で主演を務める俳優の岡田将生 写真/岩本美佳

(写真4枚)

デビューから15年、ドラマや映画だけでなく、シェイクスピア作品の最高峰とも言われる『ハムレット』(2018年)に挑戦するなど、舞台でも精力的に活躍する俳優・岡田将生。2022年1月より梅田で上演される舞台『ガラスの動物園』で主演を務める岡田に、本作への思いや意気込みなどを訊いた。

『ガラスの動物園』は1944年に文学作家テネシー・ウィリアムズによって書かれた戯曲で、物語の舞台は主人公トムの追憶によって語られる1930年代のアメリカ・セントルイス。家出をした父の代わりに一家の大黒柱となって働きながらも「町を出る」という夢を抱き続けるトムと過去の栄光にすがり続ける母、自分の世界に閉じこもる脚が不自由な姉との人間模様を描いた家族の物語だ。

自身が演じるトムの人物像について、「家族思いな青年というのが率直な言葉です」と表現した岡田。「追憶」をテーマに繰り広げられる同作品は、岡田の語りのシーンから始まり、4人の登場人物による会話劇から成る。複雑に交錯しつつもどこか愛おしい家族の形が垣間見える作品となっている。

「トムの絶妙な心情の変化によって物語が進んでいくので、お客さんもトムと同じ目線で見ていただけるんじゃないかなと。切っても切れない家族の関係性や母への愛を表現することによって、憎しみと悲しみにだけにとらわれないあたたかい部分も出したい。作品が自分の家族を思い出す時間になり、どこかやさしい気持ちで劇場から帰ってもらえればうれしいです」と同作に思いを込めた。

『ガラスの動物園』で主演を務める俳優の岡田将生 写真/岩本美佳

そしてインタビュー中、岡田が何度も口にしたのは、演出家・上村聡史の存在。2018年に上演された舞台『ブラッケン・ムーア』で初めてタッグを組み、今作が2度目となり、「演出家と役者としていい関係性。僕自身も自分の身をすべて捧げることができる演出家です。ご自分でも仰っていましたが、上村さんは天才だと思います(笑)」と信頼を寄せる。

また「国内外で何度も上演されてきた有名戯曲で、今もなお共感され愛されている理由がテキストにはたくさんありました。どう料理していくかによって変わっていくと思うので、上村さんと一緒に僕らのカンパニーならではの家族像を出したい」と岡田。

12月12日の東京を皮切りに、福岡、愛知を経て大阪に上陸する同公演。「大阪に行くといつもたくさんの方からあたたかいお声をいただくのですが、いただいたお手紙を読んでいても、とても親しみをこめてくださっていて、『あれ?この方、僕のお友だちだったかな?』とか『僕、大阪に住んでたっけ?』と錯覚することもあります(笑)。そんな演者とお客さんの距離感が近い大阪だから、作品の良さをより引き出してもらえると思います」と楽しみにしている様子。

大阪公演は「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ」にて、2022年1月20日〜23日まで。チケットは発売中。

舞台『ガラスの動物園』

住所:大阪府大阪市北区茶屋町19−1 (梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ)
期間:1月20日〜23日
料金:11,000円

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本