酒井法子、7年越しの主演映画「プロの仕事を観ていただきたい」

2021.12.5 09:30

主演映画が7年のときを経て公開となった酒井法子

(写真5枚)

「7年経ちましたが、それが叶うのはとてもうれしい」(酒井法子)

──共演された方々についてうかがいたいのですが、まず現場の雰囲気はどのような感じだったのでしょうか。

内容が内容だけに、いつも楽しかったというわけにはいきませんでしたけど(笑)。でも、かなり和やかではありました。西岡德馬さんと角替和枝さんとは、この作品以前にも共演したことがあって。西岡さんにはよく「これ、覚えてる?」なんて訊かれたりして。やさしいんですよ。角替さんも、現場がちょっと寒くなったりして、羽織るものを控室に取りに行こうとしたら、「いいわよ、私の方が近いから持ってきてあげる」っておっしゃってくださったり、大先輩なのにホントに気さくでやさしくて。

夫・柄本明同様、名バイプレーヤーとして知られる故・角替和枝 © 「空蝉の森」製作委員会 NBI

──とても残念なことに、角替さんは2018年に亡くなられてしまって。酒井さんとの共演はもとより、この映画には角替さんの私生活でのパートナー(夫)の柄本明さんも出ておられるので、そういう意味でも貴重な作品です。

ほんとにそうですね。

──今回、共演場面の多い夫役の斎藤歩さんはどうですか?

斎藤さんは狂気を表すのがお上手ですよね。得体の知れない怖さ。以前、舞台でご一緒させてもらったのですが、斉藤さんは演出も音楽も担当されて才能豊かな方なんです。舞台俳優としての演技はもちろんですが、今回の映画でもなんていうのかな、立体的なお芝居で私の演技を受けてくださって。私はもう斉藤さんの器のなかで浮遊しているみたいなものでした。

退職直前の警部を演じた柄本明 © 「空蝉の森」製作委員会 NBI

──もう一人の相手役である、警部役の柄本明さんとの共演はいかがでしたか?

緊張しました(笑)。柄本さんは寡黙な方で、現場にもいつもすーっと入ってきて、役のままそこにいらっしゃるんですけど、それも役作りしてきたぜって感じでは全然なくて、自然体なんです。それで本番になると飄々と演じられて、ただただスゴいなと。それでも今回は柄本さんが珍しく感情を爆発させるお芝居もあるので、いつもと違う柄本さんを見てもらえる気もします。

──この映画は実は2015年に公開される予定だったのがさまざまな事情で見送られ、7年のときを経て公開に至ったわけですが、それについてはどのようにお考えですか?

こういうケースは、この私たちの作品以外でも時々あることですが、やはり私たち出演者も、製作スタッフのみんなも、多くのお客さまに観ていただくことを目的に作品に関わっているので、7年経ちましたが、それが叶うのはとてもうれしいです。私たちのプロとしての仕事を観ていただきたいです。

「ステージで歌うのは好き」と語る酒井法子

──最後に、これからどういったお仕事をしていきたいとかありますか?

2021年8月、(日本の女流作詞家の先駆けで知られる)岩谷時子さんの生誕105年記念の朗読劇『ラストダンスは私に』に出演させていただいて、私は越路吹雪さんの役をほかの3人の方(貴城けい、真琴つばさ、友近)と日替わりで演じたんですが、これが楽しくて。

──そうなんですね。

そのときは朗読劇でしたけど、越路さんの歌も歌わせてもらって。実は昔から、テレビカメラの前で歌うのが苦手で、緊張してしまうんですね。でも、ステージで歌うのは好きなんです。映画も好きですけど、コンサートのお仕事もやっていけたらいいなと思っています。

『空蝉の森』

監督:亀井亨
出演:酒井法子、斎藤歩、金山一彦、長澤奈央、角替和枝、西岡德馬、柄本明
配給:NBI
※順次公開、詳しくは公式サイトにて

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