小手伸也「ようやくコンゲームの楽しみ方が伝わったな、と」

2022.1.9 09:00

『コンフィデンスマンJP』宣伝隊長として全国行脚する小手伸也

(写真6枚)

「やっぱり古沢さんの脚本の力です」(小手伸也)

──最新作の『英雄編』は、「まったく先の読めない史上最大の騙し合い」と謳われていますが、古沢良太さんの脚本を読んで、小手さんはどのように感じられましたか?

正直、脚本を素読みした段階ではすごく難しいと思ったんです。今回はコンゲームとしてすごく複雑なので、多少不安はあったんですが、いざ撮り終えて完成したものを見たら、その不安はまったくの杞憂でした。むしろ、すごく分かりやすかったので、古沢さんはこういうのをやりたかったんだと、改めてその緻密さに感動しましたし、今回は特に田中亮監督の手腕を実感しました。

──誰が誰を騙しているのか、本当の黒幕は誰なのか、最後まで目が離せない本格的な騙し合いバトルでした。

正統派のコンゲームと言いますか、ドラマ版の「正統な続編」がついに現れたな、と。今回の『英雄編』は、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人の詐欺師の三つ巴の戦いで、なおかつ、そこに警察組織の追っ手が迫り来るという展開。僕はドラマ版の最終回を思い出しましたね。

黄昏れる五十嵐 (C)2022「コンフィデンスマンJP」製作委員会

──ネタバレ厳禁のシリーズなので内容については話せませんが、みなさん本当に楽しそうに演じてらっしゃいましたね。

それぞれが持ち寄ってくるキャラクターの完成度が高い。漫画『ドラゴンボール』の天下一武道会みたいな(笑)。まさに手練手管の猛者同士のバトル。やっぱり古沢さんの脚本の力です。もう本に正解があるので、余計な物を足さなくていい。動きやト書部分のアドリブは確かに多いですが、本筋のセリフは一言一句変える人がいないんです。本のまんまやった方が絶対に面白い。

──古沢さんの脚本がすでにキャラクターの演出まで担っているんですね。

そこは古沢さんも僕らの肉付けしたキャラクターに踊らされて書かされている部分もあると思います(笑)。でもその上で正解が提示されているからこそ、出演者たちはそれ以上のもの、監督や脚本家の想像を超えたものを出してやろうという気持ちになるんです。役者は、この面白い本に対して、どう恩返しができるだろうかと常に考えているので、そういう底上げが作品にあるんでしょうね。

──役者たちも古沢さんの脚本と戦っている。

まず脚本と戦った上で、現場に武装した猛者たちが集まってくるので。じゃあ自分は奥の手を出すかと(笑)。だから、チームワークとは違いますね。息はピッタリだけど、それぞれは独立してる。『TOKYO MER』は完全なチームプレーですが(笑)、『コンフィデンスマンJP』はチームなんだけど、チームメイトに責任を持った上での、やっぱり個人戦なんですよね。

長澤まさみ演じるダー子(左)と、小手伸也演じる五十嵐 (C)2022「コンフィデンスマンJP」製作委員会

──それが、裏切りも自由という『コンフィデンスマンJP』の基本スタンスに通じているのかもしれませんね。

関係性が作品に引っ張られているのかも。僕も長澤さんとこの役で知り合わなければ、もうちょっと普通の間柄だった気がするんです。プライベートもダー子と五十嵐みたいになっちゃってる(笑)。

──違うカタチで出会いたかったですか?

そうですね。もうちょっとやさしい方が・・・。でも、2人のときはそんなにイジってこないんですよ。ダー子はみんながいると、ギアがガンガン入るので(笑)。

映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』

2022年1月14日(金)公開
監督:田中亮
出演:長澤まさみ、東出昌大、小手伸也/小日向文世
配給:東宝

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