大阪府のまん防要請は「現時点で要請する状況ではない」

2022.1.7 09:15

府民への呼びかけ(1月6日・大阪府庁)

(写真8枚)

沖縄県、広島県、山口県が「まん延防止重点措置(以下:まん防)」を政府に要請したことに対し、吉村洋文知事が1月6日の定例会見で「病床使用率も含めて考えることが重要。現時点で大阪府がまん防を要請する状況ではない」と断言した。

この日、府のコロナ感染状況が12月中旬以降に第5波を大きく上回る速度で増加し、前週比で過去最大の約3倍となったことを発表。

オミクロン株の陽性者は海外渡航歴無しが92%。市中感染が広がっていることなどが報告され、今後の感染急拡大に備えた対策として、軽症中等症病床を「フェーズ1」の1300床から「フェーズ4」の2700床に運用移行するよう府から関係施設に要請したという。

吉村知事は、「大阪モデルの色信号の基準は、病床の使用率とひっ迫が重要で、全病床の使用率が20%以上、重症病床使用率が10%以上。今は全病床が8.5%。重症病床が0.3%という状況。これだとまん防を要請する基準ではない」と説明する。

一方で急拡大している現状については、「感染拡大は明らかで、陽性者の分母が大きくなれば重症者も増える。現時点でオミクロン株での重症者はいないが、基準をベースにし、適切な時期に適切な判断をしたい」と慎重な考えだ。

また、「宣言の前にまん防が入る効果がどこまであるのか。まん防での効果を見定めてからじゃないと緊急事態宣言を要請しないという考えはやめた方がいい。府では、黄色信号になればその段階で『警戒』をお願いするが、イコール『まん防』ではない」話す。

また記者団から、「まん防ではなく緊急事態宣言を要請することもあり得るか」という質問に対しては、「それはあり得る」と答えた。

今後、府は感染状況が大阪モデルの基準に近づいた場合、対策本部会議を開催して黄色信号の「警戒」を発令するか決定するという。

取材・文・写真/岡田由佳子

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