木下百花、破天荒アイドルからの脱却「人に伝わるものを」

2022.2.1 20:00

自身の25歳となる誕生日に、生誕イベント『生きるとは』を開催する木下百花

(写真3枚)

2017年にアイドルグループ・NMB48を卒業し、その後は「スーパービーイングフリーター」と名乗りながらソロで音楽活動を進めている木下百花。アイドル時代には突如金髪ベリーショートで登場しファンを驚かせ、バラエティ番組『アウト×デラックス』(フジテレビ系)に出演した際には、首元に入った大きなタトゥーが注目を集めた。

そんな破天荒なキャラクターが先行している彼女に会うと、そのイメージとは裏腹に「本来の自分は楽しく生きたいタイプなんです」と、気さくに笑う一面も。「自分」という軸を持ち活動を続ける彼女に、来たる2月に控える生誕イベント『生きるとは』のことや、現在の活動について話を訊いた。

取材・文/田辺ユウキ

「自己肯定力があがって、自分を認められるように」

──『悪い友達』のMVが公開されましたが、キスシーンなどの映像美やストーリー性、公開1カ月を経たずに130万回再生を突破するなど、SNSではさまざまな声が飛び交い、大きな反響を呼んでいますね。

最近、自分の曲を人に伝えるためにはどうしたら良いか考えるようになったので、すごくうれしいです。以前は確かに好き勝手にやって、作品を出したら忘れるみたいな感じで・・・。でも今は「人に伝わるものをちゃんと作っていこう」という考え方に変わり、そのために自分の見せ方をいつも模索しています。そうすることが自分の生活に繋がり、好きなことを続けられるようにもなりますから。

──「生活」という言葉が出ましたが、2月6日に「シャングリラ」(大阪市北区)でおこなわれる生誕イベントのタイトルが、まさに『生きるとは』ですね。2017年のNMB卒業後の再始動イベントも同じタイトルでしたが、当時と現在とでは言葉の意味合いも違っているんじゃないですか。

かなり変わりました。再始動イベントのときは、アイドルをやりきっていたこともあって疲れ果てていて・・・。何もやることがないニート状態で、お酒を飲んで寝て、起きて、また潰れるまで飲んで寝るという繰り返し。生活も精神も荒みきっていましたから。

──そうだったんですね。

2017年は、そういった状況のなかでの『生きるとは』でしたけど、そこから自分の性格や考え方が変わっていったんです。今回は、当時の荒んだ状況を知るファンの人にも現在の私を応援してくれている方にも、「今の私はこうだよ」と伝えたくて同じタイトルにしたんです。

『悪い友達』MV

──性格が変わったという自覚があるんですね。

周りからもそう言われるし、自分でも「大人になったな」と気づくことがあります。根本的なところは変わっていないけど、自己肯定力が上がったんです。

数年前は、普通に笑っているだけなのに「木下さんって笑うんや?」とか、普通に話していても「普通に喋れる方なんですか?」とか言われて。だから私も「ほんなら喋らへんし、笑わへんわ!」と頑なになったんです。ダークなイメージを持たれ、それを自分でも飲み込んでいたから悪循環に陥った。でも本来の自分は楽しく生きたいタイプ。この1、2年で、やっと自分で自分を認められるようになりました。

──行きすぎたサービス精神で、他人が抱く印象に応えていたんですね。

そういうサービス精神はアイドル時代に培われたものでもあって、それが私の場合は良くない方向に行っていた。きっと「木下百花とはこういうもの」というイメージがあったはず。それを求める人も多かった。だって今でも、メディアに出るたびに「怖い人」と思われちゃいますから。

──テレビに出るときは、そういうイメージを自己演出していらっしゃると。

でもテレビを鵜呑みにして、信じきってしまう人がいますよね。そういう印象って、私ではコントロールできないけど、ライブに来てくれる人は実際の私を見てくれるし、偏ったイメージを持たずに、ちゃんとハッピーに演奏と向き合ってくれる。ステージからでもわかるし、それがうれしいですね。

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