朝ドラで背負う黄色いリュック、京都の小学生に広まったワケ

2022.2.10 06:55

より教科書やノートを収納しやすくなった「ランリック」の特大サイズ(各11000円)

(写真9枚)

■ さまざまなサイズやカラー展開の意味は?

──なるほど、ランリックは当時の時代背景と校長先生の思いから生まれた通学カバンなんですね。「改良」でいえば、ランリックは「特大サイズ」などサイズ展開もあるとか。

ランリックは当初、大型サイズにくわえて小型サイズもありました。しかし、A4のフラットファイルが入らず、指導要領の改訂にともない教科書など持ち物の量も増え、廃盤に。そこから大型サイズだけの時期があったのですが、10年ほど前に保護者の方から「高学年になると大型サイズでは持ち物が入りきらないので、もう少し大きくしてほしいと」の声が上がり、マチ幅を大きくした特大サイズを販売し始めました。

──ユーザーの声が反映されているんですね。ということは、学年が上がるにつれ買い替えるのでしょうか?

特大サイズ発売当初は、低学年時に大型サイズ、高学年には特大サイズに買い替えてもらう形を想定していました。しかし、予想に反して発売初年度から1年生の方にも多くご購入いただくように。

ナイロン製のカバンのため、一見耐久性が低そうですが、見た目とは裏腹に6年間ご使用いただけます。ほとんど買い替えの必要がないため、初めから特大サイズを選ばれる方が多いようです。

https://twitter.com/asadora_bk_nhk/status/1488293291284213760

──『カムカムエヴリバディ』では、ひなたが黄色のランリックを使っていました。この「黄色」にも意味はあるのでしょうか?

発売当初は黄色のみでした。当時は、交通事故による死者数が大変多い時代で「交通戦争」と呼ばれるような時代。ランリックのコンセプトは「交通安全」と「健康と安全」なので、道路危険標識の色を参考にし、黄色に黒ラインという目立つ色合いにしました。

──黄色のランリックにはそんな意味があったんですね。ほかのカラーはどのようなきっかけで追加されたのでしょう。

ランリックが発売されたことで、似たようなカバンが全国的に出回ったそうです。そのなかに赤や紺色のカバンがあったのですが、採算が合わず撤退。その撤退した地域の分も弊社が引き継いだので、そこから赤・紺色のランリックも展開するようになりました。今はほかに黒&黄色、黒&赤のバリエーションもあるんですよ。

青や赤のランリック

──ちなみに『カムカム』放送後、反響はありましたか?

「カムカムに出てましたね!」とお客さまや学校の先生からお声がけいただいたり、「懐かしい」とお孫さんと一緒にランリックを見に来店されるお客さまもおられました。

弊社でもドラマは初回から拝見しておりました! NHKさんから注文をいただいて『カムカム』の舞台に京都が入っていると分かり、「もしかしたらチラッとでも映るかな」と社内で話題になっていたところ、ランリックとわかる形で何度も映っていたので大変うれしかったです。

子どもたちの健康と安全に対する願いが詰まっていた京都発祥の「ランリック」。京都が舞台の『カムカムエヴリバディ』ひなた編では、ランリックをはじめ、京都出身ならつい目を輝かせてしまうアイテムがまだまだ登場するかもしれない。

取材・文/つちだ四郎

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