道の駅トイレでの盗難に皮肉の作戦、ユーモアな貼り紙対策は?

2022.2.12 06:55

明石海峡大橋のたもとに位置する「道の駅 あわじ」

(写真3枚)

「盗まれるほど人気な当駅のトイレットペーパー! 販売中」。淡路島の観光施設「道の駅 あわじ」(兵庫県淡路市)内のトイレにある張り紙(貼り紙)が、SNSで話題に。焼き昆布(@Wwmajidesorena)さんによるツイートには、「ブチキレてますね」「皮肉が効いてて好き」「この後どうなったのか知りたい」などの多くの反響が寄せられ、現在12 .2万いいねが付くほど拡散されている。

なんとも考えさせられる文言だが、実際のところ盗難は減ったのだろうか。「淡路観光開発公社 道の駅 あわじ」の企画・広報課の関可菜さんに、くわしく話を訊いた。

■ アイデアは「盗み」ました

──張り紙の文章が話題ですが、こちらはどなたが考案されたんでしょうか。

実はこのアイデア、当駅発信のものではないんです。熊本県にある「道の駅 水辺プラザかもと」さんのポスターが話題になっていることを知り、真似させていただきました。なので「かもと」さんの文言をほぼ「盗難」していることになりますね・・・。

──同じ「道の駅」つながりでアイデアをお借りしたということですね! いつ頃から掲示しているんでしょう。

女子トイレでは2021年6月より、男子トイレでは今年の1月より掲示しております。以前からトイレットペーパーの盗難被害に悩んでおり、ポスターを掲示していたのですがなかなか効果がなくて。「何かいいアイデアがないか」と考えていたところ、かもとさんのポスターを見かけました。

盗難を減らしたいという思いはありつつ、やはり観光施設ということで「お客さまの楽しい雰囲気を壊したくない」という思いがありました。当駅からのお願いごとを柔らかくお伝えできればということで、かもとさんのアイデアをお借りし、掲示をスタートしました。

──ポスターには「盗まれるほど人気」とありますが、実際に高品質なペーパーを使っているのでしょうか?

残念ながら、一般のトイレットペーパーと一緒のものです・・・。個人的には、道の駅に保管されていることで、ペーパーが淡路島の新鮮でおいしい空気をいっぱい吸った「プレミア仕様」になっているのではと捉えています!

──やはり言葉の端々にユーモアを感じます(笑)。掲示物などの表現には、普段から気を配っているのでしょうか。

お客さまへのお願いは、なるべく丸い言葉でお伝えするように心がけています。館内でいうと、たとえば「防犯カメラ」は「安全カメラ」、「~しないでください」は「~にご協力ありがとうございます」と言い換えるなど、表現を見直しはじめています。やはり、直接のコミュニケーションではなく、文章になるとどうしてもニュアンスが伝わりにくい部分があるので、いつも悩みながら作っています。

■ 張り紙の効果はいかに?

──細かな部分にも気持ちがこもっているんですね。今回話題となった張り紙の効果はいかがでしたか?

盗難被害は少しずつではありますが、落ち着いているのではと思います。また、ごくわずかですが、ご購入いただいたお客さまもいらっしゃいます。お持ち帰りいただくのではなくきちんとご購入いただけること、社員一同うれしく思っています!

終始ウィットに富んだ言葉で取材に応じてくれた「道の駅 あわじ」。話題となった張り紙以外にも、観光客を楽しませようとする工夫を感じてみたい人は、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。

取材・文/つちだ四郎

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