海老蔵、新作に期待込める「イメージは東京リベンジャーズです」
歌舞伎俳優・市川海老蔵が、若い歌舞伎ファンの開拓を目指す企画「六本木歌舞伎」シリーズ。その第4弾として、A.B.C.-Zの戸塚祥太をゲストに招いた新作歌舞伎『ハナゾチル』が上演される。3月に大阪公演を控える本作について、2月7日に海老蔵がリモート会見をおこなった。
『ハナゾチル』は、通称「白浪五人男」で知られる人気演目『青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)』を基に、5人の個性的な盗賊たちの活躍を描いた作品。現在の「戦隊モノ」のルーツとも言われている。
海老蔵は同作品のタイトル『ハナゾチル』について、「男たちが咲かせる悪の花が、サーッといさぎよく散るイメージ。桜の花のように、散ることを知りながらも、咲くことを恐れないという、当時の若者たちの粋(いき)を踏まえました」と解説した。
今回の新たな試みは、正統派の古典歌舞伎の世界に、現代の若者が迷い込むという仕掛け。ある拍子に『白浪五人男』の世界にワープした不良青年(戸塚)が、弁天小僧菊之助(海老蔵)などの盗賊たちと出会い、その世界に惹かれていく。海老蔵いわく、「今回のイメージは(大人気漫画の)『東京卍リベンジャーズ』」なんだとか。「古典の部分はなるべくイジりませんが、非常にわかりやすい話だから、初めての方にも『古典はおもしろいぞ』と思ってもらえるのでは」と、語った。
また、シリーズ第1作目から演出を担当していた映画監督・三池崇史は、今回は監修で参加。異なる時代の不良たちが出会う物語に、三池監督の存在は重要だと海老蔵は考えているそう。
「監督は暴力的な映像が多いですが、それとはまったく逆に、やさしくて繊細な方。痛みを感じられるやさしさがあるから、痛みを描く映画に魅力があるんだろうなあと。『白波五人男』は不良たちの話で、それで言うと監督も『クローズZERO』などの代表作があるし、いいアドバイスをいただけたらうれしいです」と期待を込めた。
六本木歌舞伎2022『ハナゾチル』は、2月の東京、3月の福岡を経て、3月18日~21日に「フェスティバルホール」(大阪市北区)で上演。料金は1等席1万4000円ほか、チケットは現在発売中。
取材・文/吉永美和子
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