京都のお寺から「六猫お守り」、可愛さの奥に深い理由があった

2022.2.23 17:15

「六瓢のお守り」にヒントを得たという「六猫お守り」

(写真8枚)

──デザインとお守りの効果にも、深い関わりがあるんですね。ところで、先ほどからお堂を猫ちゃんが出入りしていますが・・・。

この子は「チョビ」といって自分で因幡堂に居つくと決めた猫です(笑)。「一匹だけ飼おうか」と、避妊手術を施し、出入りさせていたら、ほかの猫たちも現れ・・・。今ではすっかり飼い猫の顔をしています。

──境内でも、ペットの同伴が可能だとか。これってお寺としては珍しいですよね。

動物を飼っておられる方は、自分の家族のように思っている方がほとんどです。とある方が「うちの飼っている犬ががんで・・・」と真っ青になってご祈祷に来られたことがありました。

そういった経緯もありペットの出入りも自由としています。ほかの方の迷惑にならないことだけ注意をしてもらえれば、粗相をされても水で流しておけばそれで済みますし。

「この子が前を横切ったらいいことがあった」というジンクスが生まれ、ご祈祷のときに出てくると喜ばれるという猫「チョビ」

──それでいうと、お守りを郵送で手に入れられるのもあまりないですよね。

お守りは基本的に直接来ていただくのが当たり前となっています。ただ、うちの場合は病に関する祈祷やご利益があるため「行きたくても行けない」という人が多いんです。

そのため、事情があって難しい方には、数年前から郵送で対応するようにしています。もともとはがん封じのお守りだけ対応していたのですが「このお守りは送るのにこちらは送りません」というのも言いづらいので、ほとんどのお守りを対応するようになりました。

───なるほど。先程からお話をうかがっていると、参拝者の相談や要望に真摯に向き合っているのだなと感じます。

鳥お守りの時もですが、ご相談を受けて「確かにそういうお守りは見たことがない」「必要とされる人もいるのだ」と、初めて気づくことができました。もちろん、できないことや納得できないことは断っていますが、いろいろと要望やご相談いただけるのはお寺としてもありがたい話です。

2月22日から開始された「無病(六猫)守り」(1体500円で、1人につき3体まで)の授与は、郵送含め初回分は終了。次回は4月以降の入荷を予定している。

取材・文・写真/つちだ四郎

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