味も形も…関東と関西の「ひなあられ」、大きな違いに驚き

2022.3.3 06:55

一般的な関西の「ひなあられ」

(写真6枚)

女子の健やかな成長を祈る、日本の季節行事「ひな祭り」。華やかな「ひな祭り」の時期に必ずといっていいほど目にするお菓子「ひなあられ」について、実はその特徴が関東と関西で大きく異なるのをご存じだろうか。

大阪在住歴27年・根っからの関西人である記者にとっての「ひなあられ」とは、丸い玉型のおかき。白やピンク、緑などのカラフルな淡い色で、味は醤油や塩などのしょっぱいものが連想される。

一方でSNSなどを見てみると、「関西のひなあられってしょっぱいの・・・? 衝撃」「全国共通じゃないの?」など、「関西のひなあられ」に驚く声が多数。なんと「関東のひなあられ」は米型で、甘いのだという。

なかには、関東人と思われる人の投稿で、「関西のひなあられが好きだから、東京で買えてうれしい」と言った声も。一体なぜ文化の違いがうまれたのか? 関西を代表するおかきメーカー「ぼんち」(本社:大阪市淀川区)に話を訊いた。

──「ぼんち」さんでは、いつ頃から「ひなあられ」を販売されているんでしょうか?

ひなあられの発売開始時期については社内資料がなく、定かではありませんが・・・昭和40年代にバラの量り売りで販売しており、昭和50年代にはひな壇などに飾れるように考えられた「化粧箱入りタイプ」になりました。

現在では「化粧箱入りタイプ」のほか、小分けして仲良く分け合える「分包タイプ」や、簡易的に飾れる「スタンディングガゼットタイプ」なども販売しております。

──色々な種類があるんですね。「ぼんち」さんの商品は「関西風」の塩味だと思うのですが、関東と関西では違いがあるのはご存じでしたか?

はい、存じ上げています。一般的な「ひなあられ」の関東と関西の違いは、原料のお米にあるといわれています。関東では、うるち米を爆(は)ぜて作った「ポン菓子」を砂糖などで甘く味付けしたものが一般的。一方関西では、もち米からできているいわゆる「あられ」のことを差し、醤油や塩などで味付けした直径1センチ程度の大きさが親しまれています。

──「関東風」はポン菓子のイメージなんですね! 甘いものが好きなのでそちらも食べてみたいような。ところで、なぜ地域で違いが生まれたんでしょうか。

違いについては諸説あり、断言はできませんが。「関東風」が主流になったことについては、江戸時代に豊作を祈願して供えられていた「はぜ(もち米を煎ったもの)」がもとになったという説があります。そして「関西風」は、お寺でおこなわれる法要「涅槃会(ねはんえ)」に供えられていた「おかき」がもとになったといわれているそうです。

──なるほど。それぞれ、特別な行事のルーツが大きく影響していそうですね。「ぼんち」さんは関東でも「関西風」を販売されているんですよね。なにか意識していることはありますか?

前述したような、飾れる「化粧箱入りタイプ」や「分包タイプ」など、さまざまな種類を販売しております。関東・関西などの地域に関係なく、ひな祭りに彩を加えてお客さまに笑顔になっていただけることを心掛けています。

──ありがとうございました!

取材・文・写真/Lmaga.jp編集部

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