バレリーナ芸人・松浦景子「芸人としての任務を果たしたい」

2022.3.12 09:15

バレリーナ芸人・松浦景子(写真/Chisako)

(写真7枚)

「バレエあるある」で人気のバレリーナ芸人・松浦景子。「好きすぎるゆえ生まれた」というクオリティの高いネタの数々には、唯一無二とも言える独特の感性が光り輝いており、現在のYouTube登録者数は23万人超え、2021年には初の書籍となる『松浦景子のバレエあるある』も出版。現役バレリーナにもファンは多い。

今でこそメディアや吉本新喜劇の舞台でおなじみの松浦だが、お笑いを始めるまではクラシックバレエ一筋。全国レベルのダンサーで、国内外のコンクールでも実績を残すほどの腕前だったが、なぜ「芸人」となったのか・・・話を訊いた。

取材・文/Lmaga.jp編集部 写真/Chisako

吉本の猛獣たちを前に「ここでどうやって生き残っていくんやろ」

──バレエとお笑いを掛け合わせる芸って、これまでなかったと思います。

いえいえ、吉本入ったらとんでもない猛獣たちがいて(笑)。「ここでどうやって生き残っていくんやろ」と思ったんですが、私にはバレエしかなかったので、ここにしがみつくしかないって思ったのが「バレリーナ芸人」の始まりです。でも、吉本にはいろんなキャラの方がいらっしゃって、そういう意味ではお手本もたくさんあるので、やってても楽しいし、好きなことやからいいかなって。

──オーディションのときに「バレエで吉本を変える」と書いたんだとか。

なんとかして爪痕を残さなければって思いで書きましたね。当時から気持ちは変わってないです。

──吉本新喜劇に入ろうと思ったキッカケは何だったんですか?

父親がお笑い好きだったのですが、余命宣告されてしまって。精神的にお笑いが見れない状態になっても、新喜劇だけは見てたんです。闘病中はまったく笑ってなかったのが、新喜劇は泣きながら笑っていて。そのときに初めて新喜劇の魅力に気づきました。そして、運命的にオーディションがあって、受けることになりました。

──でもバレエから新喜劇って、ある意味対極的ですね。

そうですね。バレエって声は発さないじゃないですか。最初は自分の声がみなさんに届いてることさえも気持ち悪かったんですが、初めてネタを披露して笑いが起きた瞬間は「すごっ!」ってなりました(笑)。

──バレエだと踊った後にくるものが拍手ですもんね。

バレリーナの人にとっては、バレエをやって笑われるってありえないと思うんですけど、私は逆に「やった!」ってうれしくなるんです。それこそネタを披露して、拍手がくる瞬間は「あ〜違う違う、そこじゃない、拍手はいいんですよ」と葛藤したりします。感覚が普通のバレエダンサーからはズレてるんやろなっては思いますね(笑)。

バレリーナ芸人・松浦景子(写真/Chisako)

──ネタとして取り入れるならまだしも、生粋のダンサーにその感情が芽生えるってなかなか珍しいのでは?

大学はバレエ科に行ってたのですが、次第にバレエのレッスンでみんなを笑わせるほうに回ってました。いかに先生とか真面目な生徒とかを、「笑かせようか」ってことに重きを置いてましたね(笑)。そんなことをしてたら、流れるように吉本に入ってました。

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本