「よく来てくれたなー」ザ・クロマニヨンズとの再会に、神戸が熱狂

2022.3.22 20:15

ザ・クロマニヨンズのツアーの様子(写真は3月6日「けんしん郡山文化センター中ホール」)撮影/柴田恵理

(写真5枚)

■ ライブの後半は、素っ裸の舞台に一転

アルバム収録の全曲披露が終わると同時に、ジャケットと同デザインの幕も上げられた。すると、ステージには飾りがないどころか、舞台幕も何もない。なんならほかの舞台で使うものだろうか、大道具も剝き出しな素っ裸の舞台とバンドセットだけ。「ここに僕たちとみなさんだけになります!」の言葉通り、ホールなのにライブハウスのようなシンプルなステージが目の前に広がっていた。

そこに「みんな難関乗り越えてきたんだろー? 楽しんでください!」「何か伝わってきますよ。最後まで元気よく、楽しくやりたいと思います。みんな仲良くしろよー」、短い言葉ながら想いを伝えるヒロト。一挙手一投足に胸が昂るのはきっとみんな同じで、マスクをしていても観客の溢れんばかりの笑顔や感情が伝わってくる。

ライブ後半は『暴動チャイル(BO CHILE)』『生きる』『どん底』『紙飛行機』など新旧の楽曲を連投。オーセンティックでノスタルジック、パワフルでポップ、ど真ん中でシンプル。これぞ、ザ・クロマニヨンズ! なロックンロールを打ち鳴らす4人。

ザ・クロマニヨンズの小林勝(写真は3月6日「けんしん郡山文化センター中ホール(郡山市民文化センター)」の様子。撮影/柴田恵理

音も最高なんだけれど、「夢がむきだしだぜ」「探しものがあるのではなく 出会うものすべてを待っていた」「どん底だからあがるだけ」。ヒロトやマーシーが紡ぐ言葉はいつだって聴く者の感情を鼓舞してくれる。はっきりと伝わるヒロトの歌い方もあって、言葉がより心に刺さってくる。

ステージ終盤に向けて勢いが止まらない4人。ヒロトが「どこからやろーかなー。始まったら止まらんぞー」「やるぞ!やるぞ!」と、自らを鼓舞するとTシャツを脱ぎ捨て、顔をくっしゃくしゃにしながら最終曲『ナンバーワン野郎!』へ。声を出せない観客の代わりに、マーシーに小林、桐田が前のめりな姿勢で「イェー!」と叫ぶ。

ザ・クロマニヨンズの桐田勝治(写真は3月6日「けんしん郡山文化センター中ホール(郡山市民文化センター)」の様子。撮影/柴田恵理

両足を広げてかき鳴らすギター、振り落とすように叩き出すタイトなドラム、唸るビートに突っ走るブルースハープ。「やる事は わかってる」「立ち上がる 立ち上がる」。観客は拳を突き上げ音に応え、言葉に勇気づけられ、全23曲のステージはあっという間に終わりを迎えた。唯一無二のロックンロールを鳴らし続けた4人にこの日1番の大きな拍手が贈られ、その称賛の音はメンバーの姿が見えなくなっても長く続いていた。

ザ・クロマニヨンズの全国ツアーはまだまだ折り返しに入ったばかり。次の関西公演は4月7日、「フェスティバルホール」(大阪市北区)にて開催を予定している。関西を代表する音楽の殿堂で、最高のバンドサウンドを楽しんでほしい。

取材・文/黒田奈保子

ザ・クロマニヨンズ ツアー『SIX KICKS ROCK&ROLL』

日程:2022年4月7日(木)・19:00〜
会場:フェスティバルホール(大阪市北区中之島2-3-18)
料金:6800円
電話:06-6357-4400(サウンドクリエーター)

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