結成10周年、コロコロチキチキペッパーズ「今からが勝負」

2022.3.30 19:15

2022年にコンビ結成10周年を迎える、お笑いコンビ・コロコロチキチキペッパーズ(左からナダル、西野創人)

(写真4枚)

2022年に創業110周年という節目を迎える吉本興業。数多くのお笑い芸人らが所属するなか2015年、史上最速のコンビ結成4年目で『キングオブコント』(TBS系)王者となったのが、コロコロチキチキペッパーズだ。今年で10年目を迎え、現在もバラエティ番組に引っ張りだこの2人が、普段テレビでは見せない「お笑い」に対する真面目な思いを語ってくれた。

取材・文/西村円香

■「やっと第2のスタートラインに立てた」(西野)

「コロナ禍で他事務所の芸人がが苦戦しているなか、無観客配信ライブをたくさん開催してくれたのもすごくありがたくて。改めて柔軟な会社だと思ったので、これからもそんな変化について行きたい」と語った西野

──今年でコンビ結成の節目を迎えるお2人ですが、どんな10年間でしたか?

西野:順風満帆では決してなかったですね。僕もナダルも結婚して、お互い子どももできて、芸人仲間からは「お前らいいな」と言われるけど、ここからが逆に勝負。F1で例えると、10年間でやっと「コロチキ」というカスタムが整ったところです。やっと第2のスタートラインに立てたかな。

ナダル:これからも学ぶことはたくさんあると思います。『キングオブコント』で優勝したときに、やっと頂上について「一丁あがり!」思ったら、まだまだ奥にデカい山があった。そう気付かされた10年でした。芸人界って結構キツい山だし、いつでも簡単に転げ落ちてしまう世界。ふんばるのもしんどいのに、登っていくのもしんどいですよね。

──早くからテレビで活躍しているお2人がそんな風に感じているとは少し意外でした。コンビ結成時から、お互いを見続けて感じたことはありますか?

西野:改めて性格が真逆やなと。だからこそ興味が出るし、コンビとしてバランスが取れているんだと思います。世間では僕がしっかりしていると思われているけど、僕はスイッチがなかなか入らないし、適当な部分もある。ナダルはクズで適当というイメージがあるけど、実は真面目だしネガティブな一面もありますしね。がんばってナダルをのんびりさせてあげたいなぁ・・・だって、常にだれかに追われているような顔しているんで(笑)。

ナダル:性格が真逆なんは、助かっていますね。僕はこう振られたら来たらこう返す、みたいに毎日復習しているんですが、そんなヤツが2人いても困るじゃないですか。西野も考えていると思うんですが、基本は「ええやん、ええやん」みたいな感じで、芯の強さがあります。

西野:ナダルは生真面目なんで。全然だらけていない。めちゃめちゃ全力です!

ナダル:あと、西野はこれからが楽しみなんですよね。歳を重ねたことで、今までにあった若さやイタさが取れて良い空気感をまとっていると思うし、発言も説得力を増している。劇場でMCをするときも、先輩方に「西野の仕切りはやりやすい」と言ってもらえたりもする。今、『M-1』優勝を目指してチャレンジをしてますけど、結果が出たら楽しみやなぁ・・・。

西野:僕はひとことで言うと、ナダルが心配(笑)。もちろん、このまま活躍どころか、もっともっとコロチキの看板として活躍して欲しいけど、年齢と共に忍び寄る老化が・・・。腰が痛い、頭痛いとか訴えてくることが増えたので、早く『M-1』決勝に行かせなアカンと。結成15年まで出場できるからあと5年猶予があるんですが、そう思うのは良くない。今年優勝するぞ! という勢いでやらないと。

■「『M-1』優勝を目指して、ネタとちゃんと向き合いたい」(ナダル)

オンラインでインタビューを受けたコロコロチキチキペッパーズのナダル(左)と西野創人

──でも、『キングオブコント』で優勝経験があって、テレビや劇場でも活躍されている今、また新たに『M-1』を目指すって、結構大変なことでは?

西野:僕らは運が良いなと思うんです。霜降り明星や男性ブランコなど、賞レースで結果を出して刺激を与えてくれる同期たちがいるんで。『キングオブコント』でチャンピオンになっても、結婚して子ども生まれても、まだまだ負けへんぞみたいな思いがあるんです。

──『M-1』を目指したいというのは、どちらから言い出したのですか?

西野:ナダルからです。でも、僕はなかなかスイッチが入らなくて。しんどいのはネタを作る俺の方やん! って思っていた時期もあったんですけど、ナダルが本気でがんばりたいって言ってくれたので。まだ決勝には進めてないけど、応援してくれる人も増えてきて、漫才を通じてコンビの仲も改めて良くなってきているんです。

ナダル:2年くらい西野を説得しました。『M-1』を目指さないのは、なんかもったいないなって単純に思ったんですよね。僕らはネタでめちゃくちゃ評価されているわけじゃない。『キングオブコント』での優勝実績はあるのに、ネタ番組には特に呼ばれていなかったし。『キングオブコント』以降、ネタとちゃんと向き合ってなかったんですよね。霜降り明星とかとこんなに差がつく!?と感じましたし。

でも、僕らはもっと出来るはずと思って、西野に『M-1』について言い続けていた。西野は現状に満足している、今は別に何の不自由もないというのを感じていたけれど、せっかく挑戦権もあるし、ずっと芸人を続けるなら目指さないのはもったいないと。

西野:ナダルが僕のスイッチを押してくれましたね。

■「これからはファンを増やせるよう『ブランディング』を」(ナダル)

「今、国内あちこち行かせてもらってますけど、これがもっと広がって、吉本が世界規模のエンタテイメントの会社になったら楽しいなと思いますね」と語ったナダル

──来たる4月2日・3日には、「なんばグランド花月」で周年イベント『伝説の1日』もおこなわれますね。

西野:「なんばグランド花月」という伝統のある劇場で記念すべき日に、しかも僕らが出番の日は一緒にダウンタウンさんも出はるんで、すごいありがたいことやなと。僕らにとっても特別な1日になります。劇場でネタを続けていたら良いコトあるなぁ。呼ばれて良かったなぁ。

ナダル:良い経験させてもらえるなと感じています。ダウンタウンさんと一緒の舞台に立てるなんて貴重な経験だし、心に刻みたい。

──これからに向けての、お2人の目標は何でしょうか?

西野:僕たちは、YouTubeを始めたり、オンラインサロンをスタートしたりと、1年ごとに新しいことしているので、毎年同じようには過ごさないようにしたいですね。

ナダル:まずは『M-1』優勝。ラジオも力を入れたいし、かまいたちさんみたいにテレビにもたくさん出て、イベントをすればお客さんもわっと集まってくれるようなコンビになりたいですね。

以前、陣内智則さんとゆりやんレトリィバァと配信ライブをしたんですけど、78枚しかチケットが売れなくて逆に伝説になって(笑)。僕も結構テレビには出ているのに、わざわざチケットを買ってまでみたいと思ってくれている人はそこまで多くなかったのか・・・! と驚いて。これからはもっとファンを増やして、会社にも貢献できるよう自分たちをブランディングしてきたいですね。

西野:かっこええな。「ブランディング」って、そんな言葉、今まで使ったことあった?(笑)

ナダル:やっぱりチケットを買ってもらえる芸人になるというのは大事。興行大事。


コロコロチキチキペッパーズも出演する、吉本興業の創業110周年を記念した特別公演『伝説の一日』まであと3日。4月2日・3日に「なんばグランド花月」(大阪市中央区)で1日4公演おこなわれるが、チケットはすべて完売しており、いずれもオンライン配信される。配信は各公演単券2400円、1日通し券9000円で発売中。

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