職員やミス映画村に訊く、カムカムの世界「それぞれにひなたの道」
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「東映太秦映画村」の正門付近
放送も残り1週間となり、3世代ヒロイン・100年の物語も終盤を迎えている連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK朝ドラ)。3代目ヒロイン・ひなた(川栄李奈)編の舞台のひとつである「条映太秦映画村」はご存じの通り、京都の「東映太秦映画村」(京都市右京区)がモデルだ。
『カムカム』の世界について、当時を知る映画村職員や、ドラマ内でひなたが出場した「ミス条映コンテスト」のモデルといえる「ミス映画村コンテスト」の第4回グランプリ(1989年)だった着物研究家の柾木良子さんに当時を振りかえってもらった。
■ 虚無蔵のセリフに共感「映画村で学んだこと」
1984年に「条映太秦映画村」に就職したひなた。時代劇存続のため、お化け屋敷や外国人観光客をターゲットにしたツアーを企画するなど、日々奮闘する様子が描かれた。
柾木さんは「ドラマは毎朝楽しみに見ています。役者さんや映画村の職員さんなどすごくリアルに描かれていて・・・ひなたちゃんの制服とか髪型も、職員の女性はあんな感じだったので懐かしい。終わりに近づくにつれて『カムカムロス』になりそうです」と、当時を振りかえる。
セリフに共感することも多いそうで、「ドラマのように私もコンテストのあと半年間は研修期間ということで、お芝居や日本舞踊、茶道、ダンスなどの稽古を受けたのですが、虚無蔵(松重豊)さんがおっしゃっていた『日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備えよ』というセリフのように、鍛錬すること、準備することの大切さは映画村で学びました。そのときの経験によって今、着物研究家の自分が表現できていると思うんです」と話す。
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■ どの仕事もお客さまを楽しませるために
撮影所には虚無蔵や五十嵐(本郷奏多)ら大部屋俳優とよばれる役者たちが数多く在籍しているが、当時を知る映画村職員の洲崎哲嘉さんは、「大部屋俳優というのは、今はないんですよ。大部屋っていうのは昭和30年代のなごりで、そのときはそのクラスの俳優さんが300人とかいらっしゃって。今はちゃんとキャリアごとに部屋も分けてそこを使ってもらってます」という。
また、「ドラマでは扮バイ(扮装バイト)という呼び方をされていましたが、僕たちは扮装案内人というようにしています。みなさん映画とかドラマに出演しながら、映画村では案内人としてお客さまを楽しませている。養成所で2年間トレーニングを積んで、衣裳の着方や殺陣、所作など素晴らしい技術をお持ちなので、もっと世間の方に知っていただきたいですね」とアピールした。
最後に柾木さんは、「ドラマを観ていて思うのは、みんなそれぞれ『ひなたの道』があるということ。私も映画村でいろいろ経験して、挫折もしたけど、今はそれを活かして好きな着物を伝えるという仕事をしています。錠一郎がトランペットを吹けなくなったり、五十嵐くんが役者として挫折したこともあったけど、その経験があったから今の2人がある。映画村にいた頃の俳優さんや職員さんを思い出しますね」としみじみ語った。
■ 岡山編もここで撮影! 関西最恐と呼び声高い「お化け屋敷」も
現在、同パークではドラマのロケ地巡りや、侍に扮した俳優による「斬られ役体験」など、朝ドラの世界を体感できるイベントを開催中。
3代目ヒロイン・ひなた(川栄李奈)の京都編のほかに、実は初代ヒロイン・安子(上白石萌音)の岡山編の撮影もおこなわれていたという。たとえば稔(松村北斗)の大阪での下宿先「おぐら荘」や、安子が稔に会いにきた駅など。
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映画村では別の作品の撮影で一晩のうちにセットが様変わりするため、ドラマのシーンと完全に一致はしないが、「なんとなくこんな雰囲気だったな」「ここが稔さんと安子ちゃんの!」「ひなたが歩いてた場所だ」など、ロケ地MAPを手に思いを馳せることができる。
またパーク内には、ドラマとおなじく本格美術セットと俳優による脅かしで「関西最恐」と評せられるお化け屋敷も。1999年夏にはじめてお化け屋敷が職員によって企画されたそうで、常設となってからも修学旅行生を中心に「本格的すぎる」と話題に。ライフマスクから型取りしたリアルな死体造形や俳優陣による迫真の演技を、ぜひ体験してほしい。
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そのほか、実際に和菓子監修をした「吉乃屋」中西店主によるあんこをふんだんに使った「回転焼き」(1個300円)の販売も。『カムカムエヴリバディの舞台 映画村めぐり』は7月10日まで。
『カムカムエヴリバディの舞台 映画村めぐり』
期間:2022年3月12日(土)〜7月10日(日)
住所:京都市右京区太秦東蜂岡町10
時間:10:00~17:00(4/29、30、5・6月は9:00〜、5/3〜5は9:00〜20:00)
料金:大人2400円、中高生1400円、3歳以上1200円
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