天才ピアニスト、「上沼モノマネ」の裏に隠れた日々の努力

2022.4.27 06:15

お笑いコンビ・天才ピアニスト(左から竹内知咲、ますみ)

(写真4枚)

「モノマネだけじゃなく、ネタが追いつくと信じていた」(ますみ)

「看護師あるある」を毎日公開していることに触れ、「おかげさまで好評で、そこからお仕事も頂戴するようになったんです」と明かしたますみ

──コンビの経歴としては、まずますみさんが上沼恵美子さんのモノマネでブレイクしましたよね。竹内さんは「じゃない方芸人」として見られるようになり、それをネタにしてYouTubeチャンネルなどで「じゃない方芸人あるある」もアップされています。

竹内:ますみがファンの方に写真を頼まれたとき、私も一緒に写って良いのか分からず、微妙な距離感になったりしてね。「竹内さんもぜひ」と言われたら、「え、私のことを知ってんねや」って感じで。あと、とりあえず「私が撮りましょうか」と言うようにしていました。

ますみ:あと、これも「じゃない方芸人あるある」のネタで出しましたけど、テレビ局の方が打ち合わせのとき、私しか見ていないこともあって。竹内にしゃべってもらわなアカンことがあっても、ずっと私ばっかりで。

──そういうときは複雑な気持ちがわいてくるものですか。

ますみ:それはありましたね。もちろん、企画内容によって上沼さんのモノマネで出た方が良い場合もあります。ただ「これから期待のコンビ」みたいな企画のときに「上沼さんのモノマネで出てください」とピンで声をかけられると、「なんで私だけ?」と疑問が生まれたりはします。やっぱりコンビで呼んでほしいですから。

竹内:モノマネで出る必然性がない場面で「上沼さんでお願いします」となったとき、「あ、やっぱりまだコンビとして信頼されてないんやな」とは思いますね。確かに上沼さんのネタは短い時間でちゃんとオトせるし、撮れ高も計算できる。ロケなんかは、上沼さんのモノマネで行ってもらいたい理由も分かります。それは必然性がありますよね。でもそういうわけでもなく、とりあえず「上沼さんで」となると「信頼ないんやろうな」って。

──そういう状況に多々直面してきたと思うんですけど、竹内さんのモチベーションに影響を及ぼすことはありませんでしたか。

竹内:それがまったくなかったんです。逆に「ピンでやれ」と言われたら自分は無理ですし、ひとりで仕事をしているときのますみの大変さも知っていますから。あとシンプルに、モノマネができるのはコンビとしてメリットしかない。上沼さんのモノマネが誕生した時点で「バラ売りになるやろうな」と予測もできていました。その間、私はコンビのネタをちゃんと書いていこうって。

ますみ:モノマネをやりたくないわけでもないですけど、私自身、それだけで一生やっていくつもりも全然なかったんです。絶対にいつか自分らのネタが追いつくと信じていました。

竹内:たとえばオードリーさんは、春日さんがまず強烈なインパクトを残したけど、若林さんがしっかりとネタを書き続けて、そしてコンビとしてトップに上り詰めましたよね。そういう道筋があることを示してくださったので、「私らもいずれ」という気持ちでした。だから一瞬の焦りとかもなかったですね。

ますみ:芸歴2年目くらいのときにモノマネで出始めたけど、確かにそのときはコンビとしてのネタが伴っていなかった。でも現在は感触が違います。いずれは、私らのネタを見てもらったあと「天才ピアニストって、上沼さんのモノマネをやってた子のコンビなんだ」と言ってもらえるようになりたいです。

昨年、『THE W』優勝を見越して家賃をグレードアップして引っ越した2人。「生活環境にゆとりが生まれて、仕事にも良い影響ですね」と竹内

──昨年の『THE W』ではそういう声もあがっていたように思います。

竹内:今後の目標の話にもなるんですが、そういう意味ではやっぱり賞レースで1位を獲らなきゃいけないなって。『THE W』はもちろんですけど、女性芸人とかそういう枠組みではなく、シンプルに全芸人のなかで1位を目指しています。まずは『キングオブコント』や『M-1グランプリ』、すべての大会で決勝に出られるくらいになりたいですね。

ますみ:よしもと漫才劇場のポスターがあるんですけど、そこに載っているのは賞レースを獲った芸人ばかり。あのなかに入るのが大目標です。そのためには、劇場公演でもちゃんと結果を残さなきゃいけない。毎月やっている劇場の単独ライブも、チケットの売れ行きはまだまだ。劇場側が告知を一発しただけで完売できるくらいのコンビになって、そしていずれ全国ツアーをまわりたいです。

天才ピアニストらが出演する、大規模イベント『Warai Mirai Fes 2022 ~Road to EXPO 2025~』は、4月29日より3日間「万博記念公園」(大阪府吹田市)で開催。SDGs(持続可能な開発目標)の達成を旗印に、大阪の笑いやグルメ、音楽が楽しめる。

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