伊礼彼方を新たに迎え、名作「ミス・サイゴン」が30周年

2022.4.26 19:15

舞台『ミス・サイゴン』に出演する昆夏美(左)と伊礼彼方(右)(25日・大阪市内)

(写真3枚)

ベトナム戦争によって引き裂かれた、ベトナム人女性とアメリカ人男性を描いた名作ミュージカル『ミス・サイゴン』。今年で日本上陸30周年をむかえた本作で、ヒロイン・キムを演じる昆夏美と、エンジニアを演じる伊礼彼方が、4月25日に大阪市内で会見をおこなった。

本来は2020年に、7度目の日本公演が予定されていたものの、新型コロナウイルスまん延のため中止に。しかしそこから体制を立て直し、ちょうど30周年の節目の年での上演を実現させ、昆も伊礼も「この空白の2年間が、お互いの役作りのプラスになった」と、前向きに語る。

キムを演じるのは3回目となる昆。「これはおとぎ話ではなく、キムのような人は(ベトナム戦争時に)たくさんいたと思う。その責任を持ってやらないといけない役」と思いを述べ、さらに「私は前に進むエネルギーにあふれた役をすることが多かったのですが、この2年の間にパワーの出し方もいろいろあることに気づいたので、(今回は)その質がいろいろ変わってくると思います」と抱負を。

また、今回初めてエンジニア役として出演する伊礼は、「当初は『伊礼は今の状態だとオオカミだ。求めているエンジニアはハイエナだ』と言われたので、この2年間でハイエナの準備をしてきました」という役作りへのプロセスを明かす。

舞台『ミス・サイゴン』でエンジニア役を務める伊礼彼方(25日・大阪市内)

コロナの状況が悪化したり、関係者に1人でも陽性者が出たら、すぐに公演が中止となる昨今。しかし今回のカンパニーは、どんな逆境も欲とバイタリティで跳ね返すエンジニアのように、その災難をみんなが一丸となる力に変えるはずだと、昆も伊礼も口をそろえる。

伊礼は「公演中は外食もできないけど、みんながそのフラストレーションを全部ここ(舞台)に当ててきて、いつもより激しい舞台になるんじゃないかと。哀しい物語だけど、みんなでコロナをふっとばそうぜ! という思いで、この作品を届けたい」と意気込んだ。

9月9日~19日に「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で上演。チケットはS席1万5000円ほか、6月19日から発売。キャストスケジュールなど詳細は、公式サイトにて。

取材・文/吉永美和子

舞台『ミス・サイゴン』

会場:梅田芸術劇場(大阪市北区茶屋町19-1)
期間:9月9日(金)〜9/19(月・祝)
料金:S席1万5000円、A席1万円、B席5500円 ※6/19(日)より一般発売開始

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本