抜けた「猫ひげ」を保存!?ニッチすぎるアイテムに込めた猫愛

2022.5.14 14:22

猫ひげを保存するためのグッズ「猫の贈りもの」と、興味津々の猫(グリコ/編集部員の飼い猫)

(写真4枚)

猫にとって、三角耳や尻尾に次ぐトレードマークともいえる「ひげ」。猫好きなら、部屋に落ちているひげを見つけ、「捨てられない・・・」と躊躇した経験が一度はあるはず。ひげすら愛おしいという愛猫家におすすめしたいのが、ひげを保存するケース「猫の贈りもの」だ。

猫のひげ専用という珍しいアイテムを開発した経緯について、ケースを販売する「猫の友社」(大阪市中央区)の村松さんに話を訊いた。

■ 昔から縁起物とされている「猫のひげ」

──まず「猫の贈りもの」を開発した経緯を教えてください。

「ひげケース」自体は昔からある猫グッズなのですが、個人的にデザイン性がよいものや集める楽しみを感じられる商品がないな・・・と常々思っていました。それなら「自分たちが欲しいひげケースを作ってしまおう!」というのがきっかけです。

国内で木箱を製造する工場を探していたところ、石川県の創業80年という歴史を持つ老舗の木箱専門工場に巡り合いました。職人技で1個ずつ仕上げるだけあり、美しく丁寧なつくりの箱で、これなら大事なひげをしまっておくのに最適だと感じました。

──なるほど。ところで「猫の贈りもの」という商品名にはどういった意味が込められているのでしょうか。

猫にとってひげは、バランスをとったり、喜怒哀楽の感情を表したり、日々の行動のなかで大切な役割を持つ部位。さらに国内外で昔から縁起物とされていて、厄除けや金運、恋愛運に良いというジンクスもあるほどです。

ただし、もちろん集めていいのは自然に抜けたひげだけ! 無理に抜いてはいけません。だからこそ落ちているひげは「猫から飼い主への贈り物」なのです。

──ちなみに、猫のひげを集めるというのは飼い主さんからするとあるあるなのでしょうか・・・?

人によるとは思いますが、猫を飼っている方々の間では割とポピュラーかもしれません。実は私もひげを集めているのですが、集め始めた当初は掃除の度に見つけるのがとてもうれしくて! 宝探しのような気持ちで集める楽しみが増え、少々面倒だったお掃除も「今日はみつかるかな?」というワクワクする気持ちが持てるようになりました。「ひげ集め」の副産物として部屋がきれいになるという・・・いいことづくめなのです。

名入れした猫のヒゲケース「猫の贈りもの」は、ひげのコレクションシートなどがセット

■ 名入れや、水引デザインでプレゼントにも

──ケースに愛猫の名前や日付も入れられるのは、どういったこだわりがあるのでしょうか。

日付を刻印することで、お誕生日や記念日はもちろん、愛猫を家族に迎えた日など、さまざまな思い出も一緒に残してほしいという思いがあります。

さらに、猫のひげは1匹ずつ個性があり、長さや色、太さも違います。個体差もあり、抜けたひげを見るだけでどの猫か分かるというスタッフもいるほど。そのため、多頭飼いをしている方でも、1匹ずつひげを保存していただくことで、より思い入れが強くなるのではと考え、「名入れ」も承っています。

──ギフト用のパッケージにもご祝儀などに使う「水引」を模した猫がプリントされていたりと、細かいところもかわいらしいです。「猫の友社」という社名なだけあり、随所に猫愛を感じます! やはりスタッフの方々も猫好きなのでしょうか。

求人の募集を出す際に「ねこ好きさん求む!」という文言を入れたこともあり、スタッフは自宅で猫を飼っている・身近に猫がいる者ばかりです。また、弊社のSNSに登場する子たちもスタッフの飼い猫です。日常の愛らしい姿でSNSを盛り上げてくれているので、スタッフに「ねこ手当」という形で、出演料を払いおやつ代などに役立ててもらっています。

──そこまで猫に対しての思いが強いと、商品開発の際もトークが白熱しそうですね。

やはり定期的なくスタッフミーティングは欠かせません。スタッフはみんな「うちの猫が喜びそうなものや面白そうなものがあったらいいなぁ」という視点で話し合っています。

商品作りやネーミングにもこだわりすぎるあまり、新商品の開発から発売までいつも時間がかかってしまうほど。それでも毎日「あーでもない、こーでもない」と日々楽しみながら続けられているのは、やはり猫好きメンバーだからでしょうね。

猫愛あふれる同社。ほかにも、自動的に猫じゃらしが飛び出すおもちゃ「猫じゃらシッター」や、猫の顔や身体をマッサージする「コロコロネコエステ」といったユニークなグッズを販売している。

取材・文/つちだ四郎

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