阿部サダヲの怪演光る、白石和彌監督が挑んだサスペンス映画
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映画『死刑にいたる病』のメガホンをとった白石和彌監督
「先生がシリアルキラー大好きで」(白石監督)
──今は京都芸術大の教授で、もちろん俳優としても売れっ子ですもんね。
もちろん監督業もやられてますしね。僕、鈴木卓爾さんの映画大好きだから。
──で、その鈴木さんの妻役が中山美穂さん! これまた今までのイメージとずいぶん異なる役で。
土壁食べてた役ですからね(笑)。松尾スズキさんの『108~海馬五郎の復讐と冒険~』(2019年)で久々に日本映画に出られてたから、これはもしかしたらチャンスあるかもと思って。僕にとっては、中学・高校時代からずっとアイドルでしたから。いや、感無量でした。
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──そして、今回の脚本は高田亮さん。意外にも初タッグなんですよね。
そうですよ。もともと高田さんにはすごく興味はあって、荒井晴彦さんの『火口のふたり』(2019年)の試写会でお見かけして。そこで「この後、飲みに行きません?」ってナンパしました(笑)。初めて話したけど面白い人だなぁと思って、「脚本書きます?」って。「僕でいいんですか?」って言うので、すぐにこの原作を送ったんですよ。その場の思いつきで。
──音楽にもクセありますよね。大和が毎朝アナログ盤で聴くルネサンス期っぽいマドリガーレ。資料を読むと、当初はカルロ・ジェズアルドの曲を想定してられたとか。まあ、彼はホントに人を殺めてる作曲家で、音楽もかなり変態的ですが。
本当は使いたかったんですけど、権利が取れなくて、音楽の大間々昂さんにそれに近いのを作ってもらいました。今回、撮影で弁護士事務所をお借りしたんですけど、そこの先生がクラシックオタクで、弁護士事務所なのにレコード棚があって。ずっと見てたら先生が、「監督、クラシック好きなの?」って訊いてきて、「いや、今回の映画でクラシックを聴いてる設定があって、何にしようか悩んでるんです」と言ったら、「それだったらこれね」って(笑)。
──いや、それは素晴らしい選曲眼(笑)。
そう。「この作曲家も殺人鬼だから」って。不協和音を基調に作ってる作曲家だっていうので、その場でレコードかけてもらって。でも大間々さんがすごく良いのを作ってくれました。さすがです。
──ピッチを少し狂わせた弦楽とかも不穏さを煽ってますよね。
雅也であるし、大和でもあるんだけど、そうした社会に溶け込めない人間を、不協な和音で表現してくれて。あと、僕からオーダーしたのはループ感ですね。延々とループが繰り返される。
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──そのループこそが、大和という狂気の沼を表してますね。拘置所から他人をマインドコントロールしていくっていう。
映画を観終わってみると、映画そのものも循環構造になっている感じだし、大和が拘置所で同じことをずっと考えていて、でも大和は頭のいい人なので全然退屈してないというか。まさに気持ち悪いくらいに狂気の沼なんだと思います。
──大和って、雅也に何を訊かれても巧妙にはぐらかす(笑)。
「うん」とは言わずにやんわりと肯定しているような気にさせますよね。どのシチュエーションも大和はいつも巧妙で相手の先を行っている感じがあります。僕が気に入ってるのが、ターゲットの男の子が映画館に入っていくシーンがあるんですけど、すでに大和は先にいるんですよ。お前、どういうリサーチしてんだよって。
──まさに異常なまでの努力を大和は励行している(笑)。趣味も高じると規則正しく努力が必要なんだなっていう。
相手の信頼を得られないといけないんで。本当に時間がかかってめんどくさいですよね(笑)。大和が獲物を探す執念といったら大変なものですよ(笑)。日々の生活も含めて相当の努力をするのと自分を律しないと出来ないです。
──でも、歴史上有名な殺人鬼ってかなりマメな奴が多いんですよね。
シリアルキラーはそうだって聞きますよね。マメじゃないとできないんですよ、本当に。でも、欲望をすべて満たしてるから、そういう意味ではギラギラした感じとサッパリした感じと、人当たりが良くてっていうのはわかる気がします、なんか。
──大和って、明らかにテッド・バンディっぽいですもんね。
実は原作者の櫛木理宇先生がシリアルキラー大好きで、小説家になる前にシリアルキラーのサイトを作ってたらしいんです。
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──そうなんですか?
撮影現場にいらっしゃったときにそれを聞いて。これが初めてシリアルキラーを書いた小説で、先生の推しの要素が全盛りされてるんですよ。それにこれだけ売れっ子作家なのに、日中は普通にお仕事をされていて、夜帰って2時間小説を書いてと、それがリズムになってるんだと思うんですよ。
──規則正しい生活、ですね。
そういうのもやっぱり影響されてるんだろうなぁと。映画を観てもらったあとの感想が「獲物の人が・・・あ、獲物って言っちゃいけないなぁ、被害者の方たちを美男美女にしていただいてありがとうございました」って。もう最高のお答えで、より大好きになりました(笑)。
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