【鎌倉殿】ドン引き行動の後白河&行家、長澤まさみのナレも話題

2022.5.16 20:05

平泉・衣川館にて。「平泉に手を出すな」と北条義時(左、小栗旬)に警告する源義経(菅田将暉)(C)NHK

(写真11枚)

三谷幸喜脚本・小栗旬主演で、鎌倉幕府二代執権・北条義時を中心に描く大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。5月15日放送の第19回『果たせぬ凱旋』では、源頼朝(大泉洋)と義経(菅田将暉)兄弟の関係が、周囲のさまざまな思惑がからんで、決定的な衝突にいたる様が描かれた(以下、ネタバレあり)。

京都から動かない義経に、頼朝は「わしより法皇様を取った」と激怒。妻の政子(小池栄子)と義時たちは、頼朝の父の法要を口実に、義経を鎌倉に呼び戻すことを提案。しかし2人のつばぜり合いが続くことを望む後白河法皇(西田敏行)は、仮病を使って義経を引き止めてしまう。

そんな義経には、頼朝を疎ましく思う叔父・行家(杉本哲太)が接近し、頼朝討伐をうながしていた。折しも義経の本妻・里(三浦透子)が、愛人・静(石橋静河)を追い出すために、土佐坊昌俊(村上和成)らを義経に差し向けたことで、その襲撃を「鎌倉が送ってきた刺客」と行家に吹き込まれた義経は、ついに頼朝追討の宣旨を受けて挙兵する。

この知らせを聞いた頼朝は、すかさず京へと進軍。しかし義経側につく兵はほとんどおらず、義経は里を連れて失踪。思わぬ展開に、法皇は逆に義経追討の宣旨を出して、鎌倉方にすり寄ろうとする。京都守護となった時政(坂東彌十郎)と義時は、その弱みにつけ込んで、西国諸国を自分たちが治める権利を勝ち取った。

京都で労をねぎらいあう義時と時政のもとに、義経が自ら捕らわれるために訪ねてくる。しかし時政は「九郎義経がかような所にいるはずがない。偽物であろう」と告げ、奥州に帰るという義経をひそかに逃した。その姿を見送りながら、義時は「九郎殿はまっすぐ過ぎたのです」と同情するのだった──。

■ 西田敏行演じる「後白河法皇」にドン引きでトレンド入り

お互い敵意はなかったにも関わらず、後白河法皇と源行家が小さな嘘や策略を少しずつ仕掛けたことで、あれよあれよと最悪の結果へと導かれた頼朝と義経。SNSではこの悲劇のピタゴラスイッチの大元凶とも言える、悪い大人2人への非難と罵倒があふれかえった。

特にとんでもないクセものぶりを見せたのは、西田敏行演じる後白河法皇だ。脇の下に毬をはさんで脈を止めるというトリックで、義経に重篤だと信じさせたやり口。さらに頼朝追討の院宣を出したのも「若造(義経)に脅された」と言い放つ二枚舌ぶりと、頼朝に「日本一の大天狗」呼ばわりされた(史実です)のも納得の暴れようだ。

院御所にて。義経が頼朝に会いに行くと告げると、なぜか突然めまいで倒れる後白河法皇(西田敏行)(C)NHK

SNSでも「視聴者が散々義経の行動にドン引きしていたのに、更に上を行くドン引き行動を平然とおこなう後白河法皇」「今回は『全部大泉のせい』じゃなくて『みんな後白河法皇のせい』だった」などの言葉が。その一方、脈を止める方法を周囲に明かしたときに、すかさずナレーションの長澤まさみが「まねをしてはいけない」と述べたことに対して、「冷静につっこまないで(笑)」「こんなナレ初めて聞いた」と、思わず笑ったという声が続出した。

源行家は、これまでも甥の義円(成河)や木曽義仲(青木崇高)と、共闘をもちかけた相手がことごとく死ぬという実績(?)もあり、登場したとたんSNSでは「出た疫病神」「禍々しいキングボンビー」などの声が上がり、義経に「挙兵はならぬと申したのに!」と責任をなすりつけた際には「焚きつけておいてそりゃないよ」「大河史上最悪の叔父上」などと、怒り心頭の言葉が続々と。

そんな徹底的なヒールぶりに、ナレーションでも「彼を味方につけた者は必ず負けるという死神のような男」と言われ、さらには「鎌倉方に捕まり、首をはねられるのはこれより少しあとのこと」と、まさかの「ナレ死」退場。ツイッターでは溜飲を下げたようなコメントが並ぶとともに「長澤さんのナレがキレキレ」「このナレを忘れることはないだろう」と、いろいろと異色だった今回のナレーションを称える人も多かった。

『鎌倉殿の13人』の放送はNHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。第20回『帰ってきた義経』は、奥州平泉に落ち延びた義経と頼朝の対立ムードが高まるなか、平泉へと向かう義時の奮闘と、鎌倉に送られた静の運命が描かれる。

文/吉永美和子

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