ネタ、コンビ名、そして…M-1王者が大事にする「3人目の相方」

2022.5.30 07:00

お笑いコンビ・ミルクボーイ(左から駒場孝、内海崇)

(写真9枚)

「浸透しすぎていない感じが良かった」(駒場)

「正直『ネタおもろかったらええやん』って出囃子は意識していなかった」と語った駒場。漫才に対し真剣に心を入れ替え、現在の出囃子に

瀬戸:じゃあ長渕剛から、今の曲になったのはいつくらい?

内海:もっかい『M-1』に向けて頑張ろうって、ユニットライブ『漫才ブーム』を始めた時期があって。そこで、ちゃんと出囃子についても考えるようになりました。それが2017〜8年くらいですね。

瀬戸:漫才に集中しようって切り替えたら、やっぱり出囃子も漫才の一部やと捉えるようになったんやね。で、内海の見つけた「ドンキーコング」のBGMになったと。決め手はなんやったん?

内海:単純にオシャレで舞台に出やすそう、賑やかな感じもあって、テンションあがるやろうなって。あと、曲の最初だけやと、わからないんですよ。ジャズの部分が長くて「なんの曲やろう?」ってなって、サビ部分で「ドンキーコングや!」ってなった瞬間に僕らが出てくるっていう。

瀬戸:じゃあ、出るタイミングもお客さんが「あ、聞いたことあるメロディ!」ってテンション上がったときにちょうど出るんや。でもさ、結構芸人の出囃子ってJ-POPとか洋楽とかが多いなか、ゲームってまためずらしいやん。

駒場:そこも良かったですね、浸透しすぎていない感じで。ゲームでいうと『マリオ』やったら皆が知りすぎてるし。最初この曲を言われたときも、全然異論なく決まりました。でも冒頭のジャズ部分が若干長いんで、出やすいように編集はしてもらっています。

瀬戸:候補はほかになかったの?

内海:急に僕が「これ出囃子にどう?」って音源を送って、そこからスムーズに決まった感じですね。

瀬戸:実際に変えてからはどう?これもう感覚やけどお客さんのテンションというか、やっぱり違った?

駒場:テンションは最初から上がりましたし、合ってたんやなって。長渕より良くなった感じはしましたね(笑)。

「出囃子に歌詞はいるか否か」の話題で、お笑いコンビ・祇園の出囃子『彩り』(Mr.Children)が好きで、舞台袖まで聞きに行くと明かした瀬戸

「舞台に出るタイミングは、ほんまに大事」(内海)

瀬戸:たまに今やったら配信があるとかで出囃子を流せないときもあるやんか。劇場の決まったフリー音源出たり・・・あれってテンション変わる?

駒場:僕は正直嫌ですね・・・。

内海:どこ出てええかわからなくなりますよね。今の曲はだいたいきまってるんですけど、カウス師匠の『漫才の殿堂』のときって、師匠が「ミルクボーイです、どうぞ!」ってふってくださるじゃないですか。そこでいつものタイミングで舞台に出ようとなったら、拍手してくださってるお客さんを20秒くらい待たせることになるんです。なんで、拍手がある場合は結構すぐに出ますね。

瀬戸:あと、前のコンビのウケ具合によっても変えへん? 前がバチクソにウケてて、その流れでまだ余韻に浸ってるなって思ったら、いつもよりタイミング遅らせてフラットにさせてから出るとか。

駒場:またインタビュアーすごいっすねえ。深い。

内海:でもそのテクニック、『M-1』予選で言うてる人いましたね。『M-1』って出囃子一緒じゃないですか。なんで前のコンビがウケてたら怒られへんくらいにちょっと待って出る、みたいな。大事っすよね、出るタイミングは。

瀬戸:それくらいネタの一部っていうか、ある意味「ツカミ」やもんね。

駒場:テレビやのに、自分らの出囃子で出れた『上方漫才大賞』(カンテレ)がすごかったですね。それぞれの出囃子をテレビで流してくれて、あれは愛情を感じました。「ここ(出囃子)も漫才やで」って分かってくれてるというか、こだわってはるんやろうなって。

瀬戸:ちょっとでも気持ちよくいつも通りに・・・っていう制作側の配慮やったのかもしれへんね。

内海:僕らラジオをやらせてもらってるんですけど、ゲストで後輩の子とかきてくれるときに最初2分くらい漫才するんですよ。そのときもスタッフさんがその方の出囃子を使ってくれてたりするんです。出てくれた子はそれに対して反応があるんで、やっぱり自分の出囃子ってテンションあがりますよね。

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