フレッシュであり続けた46年、ムーンライダーズに新作を訊いた
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ムーンライダーズ(左から鈴木慶一、鈴木博文)
■「作ったときが旬なんて音楽はないですよ、きっと」(博文)
──実は、個人的に去年くらいから偶然にライダーズの過去作品をザッと聴き直したりしていたんですけど、改めて印象的だったのは、やっぱりその作品が出たときの時代の雰囲気などもすごく反映しているなということで。
慶一「自分らの年齢もあるし、それと時代との関係が色濃く出てるっちゃ出てるね」
──常にその時々の先端のサウンドを取り入れている、というのは以前から思っていたんですが。
博文「そのへん、意識してそういうことはしていないんだけども。たぶん、聴く人の方がその時代に生きていて、その時代にしてるんじゃないかと私は思いますよ。音楽というのはそういうもん。形を変えて動いていくものだと思うんです。だから、昔のライダーズを聴いても、最近面白いなと思うのね。なぜかと言えば、ライブでやってるからだけど(笑)」
慶一「自分たちがリスナーになっちゃってるんだ(笑)」
博文「弾きながらプレーヤーからリスナーになってるという、すごい恐ろしいことになってる」
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慶一「そういう瞬間があるんだ、不思議だね。昔はそんなことはなかったけど。やってるときにそれを感じるのは、それだけ遥か昔に作った曲なんだろうな。例えば、こないだ野音でやったときに『ゆうがたフレンド』を歌ってて、こんなにイイ曲を白井はよく作ったなーと思って(笑)」
博文「演奏しながらリスナーになるという、新たなる境地に入ってきましたよ」
──過去の曲もフレッシュに楽しみながら演奏できるとは、素晴らしいことです(笑)。
博文「だから、作ったときが旬なんて音楽はないですよ、きっと。と言い切れる。ムーンライダーズに限ってですよ。つまり、旬のものを作らないという(笑)」
慶一「でも、さっきも言ったかもしれないけど、今回のアルバムを作っていたときは非常に不安があったし、プレッシャーもあったんです」
博文「この人はね、プレッシャーに弱いんです」
慶一「それはさ・・・(前作よりも)クオリティーを上げなきゃいけないじゃないの」
博文「そんなに考えたことはないな(笑)。白井良明と私は、あまり考えない。でも、考える人がほかにいるから、ちょうどバランスが取れる」
慶一「そうそう。私はクオリティーを考えるから、前作よりもいいものを作らなきゃいけないと、それを目指すわけだよね。で、やっている間にどこにもない音楽が出来たと思うんだよね。要するにジャンル不明の。だから、そのクオリティーを上げることに関してはクリアしたかなと思いますよ」
博文「その道を作るのは、だいたいこの人。なんでこんな変なコーラスをココに入れるんだ? とか。これは合ってるのかな? というアイデアは、この人が出しますね。ま、出来てみるとなるほどな、となるんですけど」
慶一「11曲目に『Smile』って曲があるけど(作詞・作曲は鈴木博文)、私がホーン・アレンジを付けたら、最初は納得してない顔をしてたんだ(笑)」
博文「うん。入れたときは納得してなかったね」
慶一「ホーン・アレンジの手法が、私はやっぱりコードからわざとアウトしていくようなのが多くて。言ってみればピエール・バルーさんの『サ・ヴァ、サ・ヴィアン』みたいなアウト感がいいんじゃないの? という意図だった。だから、たぶん考える方はこれが合うんじゃないの? と思ってるからそう作るんだけど、付けられちゃった方は突然そんなことが空から降ってきたわけで。納得していいなと思うまでは時間がかかるんじゃない?」
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──そういう関係性で、今後もムーンライダーズは続いていくのでしょうね。
慶一「これからはどうかな? わかんない」
博文「言われることを全部素直に聞いちゃったりなんかしてね(笑)」
慶一「でも、出来たばっかりだけど、次を思いついたらまたすぐにやりますよ」
──最後に。事前にお願いしてたことなんですが、最新作と併せて2022年の今にこれからムーンライダーズの過去作を聴き進めていくなら、どれからがいいと思うかを聞かせてもらえませんか?
博文「難しいけど、(2人で)合致したのは『Dire Morons TRIBUNE』(2001年)ですね」
慶一「ま、でも、意外とメンバーの個性を知りたいんであれば『Animal Index』(1985年)がいいかもしれないね。アレはそれぞれ2曲ずつと決めて作ったアルバムだったから」
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