京都の「丸いたい焼き」に大反響、どこから食べる争いは終了か…

2022.6.19 08:45

京都のたい焼き店「あまいろコーヒーとたい焼き」の「丸いたい焼き」

(写真11枚)

「たい焼き」を尻尾から食べるか、頭から食べるか? これは日本人にとって、終わりなき論争のひとつとも言えるかもしれない・・・だが、ある日そんな人々の概念を覆す「丸い鯛焼き」と題された投稿がツイッターで38万いいねもの大反響に。たい焼き製作者に話を訊いてきた。

■話題となった「丸い鯛焼き」ツイート

誰もが想像するであろうたい焼きの斜め上をいく「丸い鯛焼き」をツイートしたのは、jinxさん(@jinx_yk_)。投稿には4万リツイート、38万いいねが集まり、リプ欄では「たい焼きを頭から食べる派と尻尾から食べる派の争いを生まない、良い食べ物だ」「どこから食べるかで変わる心理テストが意味を成さなそう」「まんべんなくあんこを入れたいと思った結果この形がベストになったんだね」など、そのビジュアルに驚いた人たちのコメントで盛り上がりを見せた。

ツイート主であるjinxさんは、京都のとあるカレー屋さんでこの「丸いたい焼き」の存在を聞いたそうで、焼き上がりを初めてみた瞬間「出来上がりもエッジが立っていて綺麗」と思い、写真に収めたそうだ。そんなエッジが綺麗なたい焼きを取材すべく、記者もお店へと足を運んでみた。

■なぜ丸いのか? ルーツを訊いた

この話題となった丸いたい焼きは、京都の中心地「烏丸四条」から徒歩2分にある「あまいろコーヒーとたい焼き」(京都市下京区)。同店代表の井上智雄さんに「丸い形のたい焼き」について話を訊くと、きっかけは熊本県の天草市でのとある出合いにあったという。

たい焼きが好きが高じて、全国各地を食べ歩いていたという店主。仕事の縁で天草市に訪れた際、当時そこで人気だったたい焼き店「まるきん製菓」の丸いたい焼きに惚れ込んだことを機に、「この味を京都でも広めたい」と思い立ったそう。

「丸いたい焼きは、全国でも珍しい?」と記者が質問すると、「当時から丸い形はほかの県では案外珍しくなかったんですが、関西ではあまり見かけなかった」と語る井上さん。さらに「熊本県天草市では、むしろ丸い形が一般的」という関西人にとっては驚きの事実を教えてくれたが、そのワケを「当時、市内で唯一のたい焼き店だった『まるきん製菓』が丸かったからかな」と分析。

鉄板に生地を流し込む作業

ではなぜ丸い形になったのか? 井上さんは、「『まるきん製菓』は自動焼き上げ機を使ってたい焼きを作っていたのですが、自動で焼き上げる機械の構造上、丸い方がスムーズに流れるということもあり、金型には丸い形が多かった」と、丸い理由には鉄板の構造が関わっているよう。

■店主はまさかの「頭から食べる派」

そして、最後に「たい焼きといえば頭から食べる派と、尻尾から食べる派に分かれるが、丸いたい焼きはどこから食べれば良いのか」と本題を投げてみると、「僕はあんこたっぷりの頭から食べて、口直し感覚で尻尾を食べますが・・・丸いたい焼きにも実は尻尾があるんです!」と井上さん。

焼き上がりは通常の「尻尾付き」を思わせる見た目だが…

「丸とはいえど、機械で挟む際に餡が少し顔寄りになるので、ちょっとカリカリになった『背びれ』の部分ができるんですね。なので一応「頭から」(丸いたい焼きでいえば顔)と「尻尾」(背びれ)から、両方から楽しんでもらえるようになっています」と語ってくれた。

なるほど・・・、やはり「たい焼き」といってキュートなお顔がある以上、「どちらから食べるか」を考えざるおえない様子。「丸いたい焼き」でさっぱりと解決すると思った尻尾派or頭派 論争はまだまだ続きそうだ。ちなみに、「丸いたい焼き」はつぶあん、緑茶入りカスタード、ミックスの3種類がスタンバイ。

周りが綺麗に切り取られ、まんまるに仕上がった「丸いたい焼き」

取材・文・写真/木田容平

あまいろ コーヒーとたい焼き

住所:京都市下京区釘隠町242
営業:12:00〜18:00(定休日は火曜と日曜)

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