男女の修羅場をネタに…かるた? 「自慢話は聞いてられない」

2022.6.9 17:00

製作者・佐藤さん。修羅場経験はゼロだそうです…

(写真8枚)

「コロナ禍で暇だったから」と手作りしたところ、商品化を希望する声が殺到。クラウドファンディングで支援金を募集すると、瞬く間に100万円が集まり話題となっている「修羅場かるた」。その製作者は、大阪の色恋が咲き乱れる街・北新地で18年続く中華料理店「RAKUSUI」の店主である佐藤和博さんだ。

「男女関係のABCを『Z』まで考えていた」

「ごめん、鍵返して」「チューのし方、なんか変わったな」・・・佐藤さんが過去にいろいろと書き留めていたことを元に店のスタッフと考えて考案したのが「修羅場かるた」だ。その評判は北新地から口コミで広がり、現在は県外からも問い合わせがくるほどに。

「元々『NSC』(お笑い養成所)に入ろうか迷っていた」というほどの生粋の「笑い」好きの佐藤さん。幼いころから言葉遊びが好きだったというが、ブログやSNSが今ほど盛んではなかった2000年ごろ、佐藤さん曰く「日記サイト」的なところに日々思ったことを書き綴っていたという。

「修羅場かるた」一部。読み札はすべて関西弁、絵は佐藤さんの友人(経験した修羅場は数知れず)が担当している

「例えば、恋愛における男女関係のABCっていうのがありますけど、『男女関係が3つに収まるってどういうことやねん!?』と思い、AからZを全部使って考えてたりしてました(笑)。Aはキッカケの『会う』、Jは『ジェラシー』中盤のいい段階で入ってくるんですよ。最後の3つ、X『クリスマス』Y『やっと』Z『ずっと』・・・すごく素敵じゃないですか? 出会ってからずっと一緒にという男女のストーリーなんです!」

今回話題となっている「修羅場かるた」も、「原点は『男女関係のA〜Z』だったかも」と語る佐藤さん(ちなみに男性目線&女性目線の2バージョンあるそう)。「そのころから、常に『ネタ』を書くように。どれも憶測の文章で、都市伝説を組み合わせて『都市伝説冗談バージョン』みたいな・・・そういったことを料理を作りながらも、ジワジワ毎日考え続けていましたね」と振りかえる。

「失敗から『おもしろさ』が生まれる」

「修羅場かるた」デザインは同店のスタッフ・柏木さんが担当。遊び心満載の佐藤さんの名刺や同店のチラシも手がけた

佐藤さんの携帯のメモには「ネガティブ漢字検定」「女性の全カップ数をかっこいい英単語で表現する(Aカップ=Ambition(アンビジョン)野心、野望、大志のことを言う。まさに「ここからやるぞ」という意気込みが熱いA、Kカップ=Kaiser(カイザー)皇帝。誰もがひれ伏し、従わざるを得ない絶対的存在K・・・など)」、さらに某人形を数体使い「修羅場かるた」を実演している写真がずらりと並んでいた。

現在は、男女のいざこざを会話形式で百人一首風にしたもの(ムカつく仕上がりになるそう)に加え、「浮気や不倫に繋がる小さな綻び、これも出来るんじゃないかなって・・・今ぼんやりですけど考えています」と、「修羅場」を笑いものにしてしまった罪悪感から「修羅場『予防』かるた」に挑戦したいとも。制作意欲は止まることを知らない・・・。

取材して分かった、佐藤さんの「おもしろいこと」への探究心の凄さ。「僕、過去の嫌な思い出や失敗が、その人の『おもしろさ』につながっていると思うんです。おもしろいの主成分はマイナス的なエピソードなので、失敗は宝物ですよ。人の自慢話なんて、そんな聞いてられないじゃないですか(笑)。この『修羅場かるた』も要は失敗談なんです。こういうところから出てきた話を笑いに変える、そのことに価値があると思っています」

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