初演を観たのは20代、阿部サダヲ「自分とは遠い存在だと」

2022.6.15 19:45

舞台『ドライブインカリフォルニア』に出演する阿部サダヲ

(写真3枚)

映画『死刑に至る病』の、殺人鬼の演技が絶賛されたのが記憶に新しい阿部サダヲだが、6月末には松尾スズキが作・演出をつとめる舞台『ドライブインカリフォルニア』の大阪公演を控える。そのリモート会見がおこなわれ、阿部は同作に対する意気込みを語った。

『ドライブインカリフォルニア』は1996年に、「日本総合悲劇協会」の旗揚げ公演で発表された作品で、上演はこれが3回目。田舎町のドライブインを舞台に、店の経営者・アキオ(阿部)、元アイドルでシングルマザーの妹・マリエ(麻生久美子)、マリエの元マネージャー・若松(谷原)などの人々の、さまざまな思惑や因縁が絡みあった、おかしくも悲劇的なストーリーが展開される。

阿部は、まだ20代だった頃に初演を観て「僕らより大人の方々が出演されていたこともあり、自分とは遠い存在の作品だと思っていたので、アキオ役をオファーされたときはビックリしました」と振り返るとともに「(作品の)なかに入ってみると、複雑な人間関係や、話の構造がおもしろくって。でもそれを(観客に)伝えるのは、難しいだろうなあとも思いました」と、本作に感じた第一印象を語る。

しかし現在上演中の東京公演は「結構お客さんに伝わっている感じがする」と、好感触をおぼえているそう。「松尾さんには失礼かもしれないけど(笑)、無駄な笑いがなくなった分、むしろわかりやすくなったんじゃないかな?」と語った。

大阪公演に向けては「(会場の)『サンケイホールブリーゼ』(大阪市北区)は初めて立つので、それが楽しみ」と期待するとともに、観客には「ユキヲという中学生が独白する部分を、僕は今まで『ここは休憩だ』と思っていたけど、実は一番大切なところなので(笑)、ちゃんと聞いておいた方がいいです」とアドバイスを送った。

『ドライブインカリフォルニア』は、ほかに皆川猿時、猫背椿、小松和重などが出演。大阪公演は6月29日〜7月10日、「サンケイホールブリーゼ」にて。チケットは一般8500円ほか、現在発売中。

取材・文/吉永美和子 写真/引地信彦

舞台『ドライブインカリフォルニア』

会場:サンケイホールブリーゼ(大阪府大阪市北区梅田2丁目4−9 ブリーゼタワー7F)
期間:6月29日(水)〜7月10日(日)
料金:指定席8500円、ブリーゼシート(バルコニー)7000円、ヤング席(22歳以下)3800円

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