猛暑&電気代高騰で悲鳴、ダイキンに聞いたエアコン節電術とは

2022.8.16 07:30

酷暑が続くにも関わらず、電気代高騰もあって使い方に迷うエアコン

(写真10枚)

業者へ依頼か、10年越しなら買い替えも視野に。

フィルターを掃除しても、かび臭さやニオイを感じたり、内部に汚れが付着したりしている場合は、専門業者に内部洗浄を依頼しないといけない場合も。料金は、安いところなら1~2万円。ちなみに、「ダイキン工業」でも3万8000円〜5万円(以下、すべて税別)で利用できるという。

ただ、専門業者への依頼前に、エアコンの使用年数を考慮すべし。野田さんによるとエアコンの買い替え目安は10年とのこと。費用対効果を考えると、10年以上経過しているものは買い替えた方が機能的にも節電効果が見込めるという。

内部洗浄は専門業者に、その際は使用年数を考慮。10年以上なら買い換えも検討

実際、消費電力を計算すると、2009年発売のエアコン「S28KTNS」(ダイキン工業)の年間消費電力量は、当時で1122kWh。現在の電気料金が1kWh=31円とすると、1年間の電気代は3万4782円に。

だが、同等シリーズの最新型「S28ZTES」になると、929kWhの2万8799円。最上位機種「うるさらX」なら、779kWhで2万4149円と年間で1万円以上安くなるので、10年以上使っている人は買い替えを視野に入れてもいい。

「ダイキン工業」の2022年最新モデル「うるさらX」。換気機能がパワーアップしている

ちなみに、エアコン運転後の「内部クリーン」機能がある場合は、必ず使った方がいいと野田さん。一見、運転が停止していない? と思いがちだが、運転後に結露などがたまったエアコン内部を乾燥させカビが生えないようにする大事な機能(電気代は機種により異なる)。一連の作業を終えれば自動でオフになるのでぜひ活用してほしいとのこと。

電気代のムダを省くには、「自動運転」一択!

では、エアコンを運転する際、「節電」をするためにはどんなことに気をつければいいのか。リモコンには「冷房」「暖房」「ドライ」「風量」など、あらゆるボタンがあるが、野田さんはおすすめの設定は、「自動運転」と断言する。

「内部クリーン」機能は運転後、エアコン内部にカビが映えないよう乾燥させる役割を果たす

野田さんは、「エアコンは自ら外気温や室内温度などを見ながら、最適な運転モード、設定温度、風量などを判断して運転します。夏であれば自動で冷房運転になります。設定温度はおおよそ26〜28度ですが、暑ければ自動運転のまま、『-1度』で調整するのがベストです」と説明。一方、設定温度を急激に下げると消費電力が高まるため、NGだとか。

また、帰宅した際、エアコンをつける前に室内に籠った熱気を追い出すことも節電につながるという。夏場の室内温度は外気温よりも高いことが多いため、窓を開けて換気をするだけでエアコンへの負荷が和らぐそうだ。

エアコン室外機と太陽熱の遮断(「ダイキン工業」公式サイトより引用)

そして、ファンの通気性を確保しながら、室外機に日よけを設置するのも効果的。さらに、太陽熱が入る窓の外側には簾(すだれ)を付けて熱を遮断。「ダイキン工業」の最新調査結果では、フィルター掃除と室外機周辺の片づけを実施した場合、しなかった場合と比較して消費電力量は半減。105.1%もムダな消費電力量を削減できることが明らかになった。

日中は「つけっぱなし」、長時間の外出時はオフに。

「ダイキン工業」では、エアコンの「つけっぱなし」と「30分ごとにオンオフ」で、消費電力にどう差が出るかも調査している(気温36.5度で設定温度26度、2つ並ぶ同じ大きさの部屋で比較)。結果、気温が上がる日中の消費電力は、エアコンをつけっぱなしにした方が安く抑えられることが分かったという。

エアコンの消費電力量の違い、赤線がつけっぱなし、青線が30分ごとにオンオフ(「ダイキン工業」公式サイトより引用)

ただ、これは日中だけの話。涼しくなる夜の時間帯(夕方6時から夜11時)や長時間出かけたりする場合は、切ったほうがいい。外出時のオンオフの目安は日中であれば35分以内、夕方から夜間であれば18分以内ならつけっぱなしのほうが消費電力が低い。

では、1時間くらいの微妙な外出の場合はどうするか? 野田さんは、「私でしたら、子どもやお年寄りがいたり、来客がある場合などは、帰宅時の快適性を考えてつけっぱなしにして出かけると思います」とのこと。そういった判断基準も参考にしたいところだ。

取材・写真/岡田由佳子

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