大人も興奮必至、「ひつじのショーン」誕生に迫る企画展が京都に

2022.8.20 20:15

9月4日まで「美術館『えき』KYOTO」にて開催されている『ひつじのショーン展』

(写真7枚)

イギリス発のアニメ『ひつじのショーン』の軌跡を辿る企画展が、「美術館『えき』KYOTO」(京都市下京区)にて9月4日まで開催中。制作過程や普段はお目にかかれない原画なども展示されるため、子どもはもちろん、大人も夢中で楽しんでいる。

■ アニメの世界を「覗き見」できちゃう

同アニメは、ストップモーションアニメの『ウォレスとグルミット 危機一髪!』(1995年)に初登場した、ひつじのキャラクター・ショーンにフューチャーしたスピンオフ作品。2007年よりテレビシリーズの放送が開始し、現在でも老若男女から人気を博している。

テレビシリーズ放送開始15周年を記念した同企画展では、オリジナルのキャラクターパネルやジオラマ、ストーリーボードの資料など、「ひつじのショーン」の制作過程を知れるファン必見の展示が揃い、ショーンの誕生から作品を振りかえることができる。

入り口付近に展示されている、ゴリー監督の展覧会限定アート

まず、入場して目に入るのは、ショーンの生みの親であるゴリー監督ことリチャード・スターザックの展覧会限定アート。キャラクターたち自らがストップモーション・アニメーションを制作する姿4点、鉛筆やインク、マーカーペンで描き下ろされ、その奥には『ウォレスとグルミット 危機一髪!』登場時のショーンの人形も展示されている。

また、撮影の過程で制作されるストーリーボードやキャラクタースケッチは全97点展示されており、制作過程を収めたオリジナルのドキュメンタリームービーも放送。人形を動かしながら1カットずつ丁寧に撮影する様子や、キャラクターがセリフを喋る際のパーツの動きなど、制作に関わる細やかな作業も流れており、同展のなかでも人だかりができていた。

世界的音楽バンド・BEATLESのビジュアルをモチーフにした『アビーロード』

そしてファン必見なのは、テレビシリーズや映画に出てきたセットや小物で、シーンを完全再現したジオラマ。同作でもお馴染みの『アビーロード』や『バス停』、『スーパーマーケット ルーラとショーン』など14点のシーンが展示されており、なかでも『野菜畑のショーンと牧場主』は、360度回り込んで見られるようにアクリルのボックスで囲むように設置、緻密な製作技術を目の前で堪能することができる。

小窓から覗き込むことのできる『レストラン』

ほかにも、『レストラン』は建物セットの小窓を覗き込めるようになっていたりと、普段アニメでは見られない角度から世界観を感じられるのも魅力のひとつだ。

■ 「ポストカード」などグッズも見逃せない

そして、同展を出ると、約200種の展覧会オリジナル商品が並ぶグッズコーナーも設置。ゴリー監督が描き下ろした4作品の版画(3万5200円 ※限定50枚の受注販売)やポストカード(165円)、また「トートバッグ(缶バッジ付き)」(3080円)など、バラエティ豊かに揃っている。

小学生の娘を連れ、来場していた親子は「あらゆる角度からジオラマが見られるように工夫されているので、子ども目線だとまた違ってよく見える。私が気付かなかったモグラのキャラクターも発見して楽しんでいました」と展示の工夫を喜んでおり、「夫がシリーズのファンで来場した」という夫婦は、「制作過程を見られるのは、とても珍しいと思う。それを見るのを楽しみに来た」と、じっくりと展示に見入っていた。

同会場がお披露目となる巡回展『ひつじのショーン展』は、朝10時から夜7時半で、入館締切は閉館30分前。入館料は一般900円、高・大学生700円、小・中学生500円。

取材・文・写真/木田容平

『ひつじのショーン展』

会場:美術館「えき」KYOTO(京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル 東塩小路町)
期間:7月30日(土)〜9月4日(日)
料金:一般900円、高・大学生700円、小・中学生500円

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