「痛いのが心地良い」矢沢あい展で蘇る、ファッションの思い出

2022.8.28 13:00

全身ブラックコーデで来場した20代の女性は、「『パラダイスキス』を読んで服飾の専門学校に行った」と話す(24日・大阪市内)

(写真5枚)

恋愛漫画の金字塔『天使なんかじゃない』や『ご近所物語』、そして社会現象を起こした『NANA』など、数々の大ヒット作品を生み出してきた矢沢あい。友情や恋愛模様に加え、矢沢作品でオシャレを学んだ人も多いだろう。

ヘソ出しのトップスやミニスカートといったTHE・90年代なアイテムが登場した『ご近所物語』、「Y2K」(2000年代に流行した派手なデザイン)ブームど真ん中だった『NANA』など、その時代の象徴的なファッションを捉えてきた矢沢作品。

そんな懐かしのファッションが約300点の原画とともに楽しめる展覧会『ALL TIME BEST 矢沢あい展』が8月24日、大阪でスタート。初日の内覧会には、10代の頃から矢沢作品のファンだという女優・三船美佳が出席し、ファッションの話に花を咲かせた。

『NANA』コーナーで足を止めた三船は、「当時は原宿によく行っていて、パンクファッションとかも着てて。作中に出てくるようなユニオンジャックの穴の空いたニットとか。あと、ヴィヴィアン・ウエストウッドに憧れたけど、高校生には手が出せないから1000円くらいのパチモン買ったり(笑)。そういう当時の思い出がたくさん詰まってますね〜」と、興奮気味に語った。

『NANA』コーナーにて、当時を思い出しながら語る三船美佳(24日・大阪市内)

そんな10代を過ごした三船だが、「そういう着心地の悪かったり、痛かったりするのが心地よい世代だったんですよね。成長とともに、なんか心も痛いし、身体も痛いし、精神的になんかトゲトゲして・・・。自分でなんだろってわかんないものが、ファッションに反映されたりする」と振り返る。

会場には、登場人物をイメージしたファッションに身を包む若いファンの姿もあり、『パラダイスキス』を読んで服飾の専門学校に行ったという女性や、『NANA』でオシャレに興味を持ち美容師になった人など、現在の10〜20代にも矢沢あいの影響が垣間見られた。

会場には、近年の画業であるメンズストリートファッションの変遷をたどる解説書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』(佐藤誠二朗・著/集英社)に掲載された挿画も展示。ストリートスタイルの史実を忠実に描いたイメージイラストの流麗なタッチに注目だ。

矢沢あい初となる同展覧会は、8月24日から9月12日まで「大阪高島屋」(大阪市中央区)で開催中。入場料は一般1000円、大学・高校生800円、中学生以下は無料。会場は同百貨店7階グランドホールにて。

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