新グループを発足させた大森靖子「個の肯定を目に見える形で」

2022.9.16 20:30

METAMUSE(左から、西井万理那、大森靖子、藍染カレン)

(写真9枚)

「うちは作った感覚、1mmもない」(西井)

──藍染さんは最初、「アイドルにならない」って言っていたとか。

藍染「いえ、もともとすごくアイドルが好きで、いろいろオーディションも受けてたんです。でも、自分が理想とするアイドルに自分は到底なれないから、『アイドルにはなれません』と言ってて(苦笑)。それを靖子さんが『いや、やるで』と誘ってくれたんです。もともと靖子さんの楽曲が好きだったし、自分が自分にかけた枷を壊せたらすごく楽しいことだなって」

──西井さんはどうですか?

西井「え、なに? アイドルになったきっかけ?」

大森「普通に違う(笑)」

西井「なんだっけ?」

METAMUSE(西井万理那)

──アイドルというアートフォームの可能性です(笑)。

西井「うちは結構、自分が成長できる気がしなくて。もうこれ以上は無理かもって思いながらやってきて。だって、全力で頑張ってるし。でも、ZOCでツアーをやってるうちに、それこそメンバーの歌い方とか見て、こうやって歌えばいいんだって見て、歌うのが楽しくなった」

──とはいえ、西井さんは初期メンバーとしてZOCを作ってきたわけじゃないですか。

西井「うちは作った感覚、1mmもない」

──ほぉ。

西井「うちは靖子ちゃんが作ったものを、楽しくやるってだけ」

──もう感覚で楽しんでるわけですね。

大森「私も、にっちゃんがいるからこういうグループにしようとは1mmも考えてない。こういうグループを作ろう、そこに西井も入れようって感じ。にっちゃんのために作ったと周囲は言うし、私も言ってるんだけど、どこにいたって成功する人じゃないですか。だから、ここに居てくれることが逆にありがとうって」

西井「へぇ、やさしー」

大森「だから、やさしいんじゃないから」

──西井さんは、言うこと聞いてくれないけど、仕事はちゃんと完遂してくれるタイプ。

西井「ハハハ(笑)」

大森「そう、天才だから。一番信頼してます、そういう意味では」

──インタビュー動画のときでも、「絶対やめるつもりはなかった」とはっきり言ってましたもんね。

西井「うん。なんだかんだ、ZOCじゃない自分が考えられない」

──大森さんはもともとソロでデビューしていて、表現という意味ではグループのなかに入らなくても全然できるわけで。でも、あえてしんどいところに身を置いて、音楽家として挑戦している。実は誰も踏み入ったことのない領域なんですが、それを横目で見ている2人にはどう映ってるんですか?

大森「おぉ、たしかに。言われたことない」

──それが当たり前にある状況は、ある意味、メンバーの甘えにもなりかねなくて。極端に言えば、大森さんがグループから抜けたとき、どちらかが大森さんの役目をやらないといけない可能性もあるわけで。

藍染「できないです、できないです。ムリムリムリ。できるわけもないんですけど」

──でも、大森さんが大変な役目を背負っているのは分かってると思うんですね。

西井「うん、それはわかる」

藍染「仕事に対する容量もすごいし、人に対する容量もすごい。メンバーがそりゃねえだろってことをしても、靖子ちゃんだけが『おもしろい、好き!』って言ってることがあって。私がびっくりしちゃうこともこれまで結構あったんですよ。愛の容量? 半端ないなって」

METAMUSE(大森靖子)

──それはやっぱり愛なんですか?

大森「う〜ん、愛っていうか、面白いと思えたら勝ちみたいな。そう思えなかったらムカつくじゃないですか。でも、面白いかもって思ったときに・・・」

藍染「ホントに面白いと思ってるから」

──見たことないものを見たい、ということですよね。

大森「そうそうそうそう」

──だから、アイドルというのはステージではこういうポーズをとって、こういう場面ではこういうリアクションをして、というような決まり事があったりして、大森さんとしてはそこからはみ出して、自分なりの表現を期待したいという。

大森「まぁ、それどころじゃないんですけどね、ZOCのはみ出し方は(苦笑)。でも、退屈よりは100倍マシ。つまんないがいちばん罪だから、自分にとって。面白ければOK」

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