神尾楓珠、3年ぶりの舞台へ「壊すことができるようになりたい」

2022.9.10 21:15

『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』で劇団☆新感線デビューとなる俳優の神尾楓珠(7月・大阪市内)

(写真2枚)

天海祐希&古田新太のW主演作品、劇団☆新感線による舞台『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』。演劇界においてのクセ者が揃う同公演に、人気若手俳優・神尾楓珠が初参戦。その意気込みを語った。

■ 役どころは「堅実で現実主義者という感じ」

今年だけでも、ドラマ『17才の帝国』(NHK)や映画『20歳のソウル』など、4本の主演作品が放映・公開されるなど、今もっとも勢いのある俳優の1人。舞台は3年前に1度挑戦したきりで、まだ苦労よりも新鮮さが勝っているそうだ。

「基本的に映像作品は、その日にみんなが持ち寄ったものをその場で合わせて、すぐに『撮ります』みたいな感じですけど、舞台の稽古だと、自分のなかで消化していく時間がたくさんある。その時間を上手く使っていきたいです」と、心境を語る。

神尾が演じるのは、前作『薔薇とサムライ』屈指の人気キャラだった、シャルル・ド・ボスコーニュの弟ラウル。行方知れずとなった兄に変わって、ボスコーニュ王国の後継者となり、国の存続の道を探るなかで、五右衛門(古田)やアンヌ(天海)たちに出会う・・・という役どころだ。俳優・浦井健治が演じた、超絶陽気なシャルルとは真逆の、慎重で真面目な青年だという。

「最初に出演の話を聞いたとき、僕もああいう芝居をするのか? と思ったんですが(笑)、全然そういうこともなく、堅実で現実主義者という感じ。明るくてなんでも恐れずにやる兄に憧れるけど、それができないという感じで、ずっと影にいた人じゃないかと思います」と、ラウルのキャラを分析した。

劇団☆新感線『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』に出演する(左から)神尾楓珠、天海祐希、古田新太(7月・大阪市内)

■ 「天海さんは稽古でも、すごく堂々としていて」

また、本作のテーマが「世代交代」ということもあり、天海や古田は「若い人たちに教えたいし、ぶつかってほしい」と会見の場で宣言。それを受けて神尾も、自分たちの世代特有の壁を壊したいとかえす。

「僕らの世代は『多分監督や演出家さんは、こうして欲しいんだろうな』というのを、汲み取り過ぎちゃう部分があると思うので、それを壊すことができるようになりたい。稽古のなかで『こうしてみよう』と思ったことに、どんどん挑戦していけたら」と、先輩たちの思いに応えた。

またそんな先輩・天海に対し、神尾が「天海さんは稽古でも、すごく堂々としていて・・・」と語ると、「圧がある? それとも(背が)大きいから?」と畳み掛けられ「いや、そういうことじゃないです(笑)。真ん中に立つ責任感をすごく感じます」と、タジタジになりつつもきちんと対応。舞台でのコンビネーションに、期待が持てるシーンとなった。

『薔薇とサムライ2―海賊女王の帰還―』は中島かずき作、いのうえひでのり演出。ほかには石田ニコル、高田聖子、早乙女友貴、生瀬勝久などが出演する。大阪公演は10月5日~20日に「フェスティバルホール」(大阪市北区)で上演。チケットはS席1万5800円ほかで、9月18日から発売開始。

取材・文/吉永美和子

2022年劇団☆新感線42周年興行・秋公演 SHINKANSEN☆RX 『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』

会場:フェスティバルホール(大阪府大阪市北区中之島2-3-18)
期間:10月5日(水)〜10月20日(木)
料金:S席 1万5800円、A席 1万2500円、ヤングチケット 2200円(22歳以下)

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