盛況の三谷幸喜作、裏エピソードは…戸塚「絶対誰とも住めない」

2022.9.12 20:15

三谷幸喜が1992年に脚本を書き下ろした舞台『VAMP SHOW』

(写真3枚)

ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ)の戸塚純貴と、『カムカムエヴリバディ』(NHK)などで知られる平埜生成が出演する舞台『VAMP SHOW』。脚本家の三谷幸喜が1992年に書き下ろしたホラーコメディで、今回が21年ぶりの上演。9月10日・11日におこなわれた大阪公演はほぼ完売となり、現在は期間限定でアーカイブ配信されている。

ともに旅をする5人の吸血鬼が、ある出来事をきっかけに狂っていく関係を描いた、笑えるけどゾッとするシチュエーション・コメディ。過去には古田新太や堺雅人なども出演し、平埜が演じるリーダー格の吸血鬼は佐々木蔵之介が、戸塚が演じるコミカルな吸血鬼は橋本じゅんが演じてきた。

2022年バージョンは「みんなで一緒に作り上げる感覚が強かった」と、戸塚も平埜も声をそろえる。「今回のカンパニーは、舞台出身だったり映像出身だったりと、それぞれ出自が違うので、演技スタイルの違いをすり合わせていかなければならなかった。稽古が終わったあとも話し合ったりして、(初演の)30年前の空気に近づけたいという思いがありました」と平埜は語る。

「笑いの聖地・大阪で上演することは、怖い反面、安心感もある」と話す平埜生成(9日・大阪市内)

そうやって、全員がスクラムを組むように作り上げたおかげで、カンパニーは本当に仲が良いそう。戸塚は「楽屋は男子校みたいに盛り上がっています。みんなキャラクターが違っていて、自分にはない考え方を、みんなが持っているのが楽しいです」と、その良さを認めつつも「でも違いすぎて、絶対誰とも一緒には住めないです」とぶっちゃけて、会場は笑いに包まれた。

大阪公演はチケットがほぼ完売となり、舞台のオンライン配信が急遽決定。そのことにありがたみを感じつつも、キャストの間では、これまでとはちょっと異なる緊張感が走っているそうだ。

「大阪で行きたいこところは?」と聞かれ「味園ユニバースや裏難波」と答えた戸塚純貴(9日・大阪市内)

平埜が「(劇場以外でも)大勢が観ているなかで、誰がミスをするのか? というのを、みんなすごく気にしています(笑)。もしかしたら大阪用に、なにかあるかもしれないです」とあおると、「吉本新喜劇」が好きだという戸塚は、記者から関西人誰もが知る某ギャグを振られて「それ、絶対大阪のお客さんは知ってますよね? (アドリブで)言ってもいいのかな?」と、配信と大阪を意識したバージョンが見られることをほのめかした。

演出は、2001年の再演版に出演していた河原雅彦が担当。平埜と戸塚のほかには、岡山天音、塩野瑛久、尾上寛之などが出演する。現在9月11日の公演がアーカイブ(見逃し)配信されており、17日まで視聴可能(3500円)。「イープラス」や「チケットぴあ」など、公式サイトにて販売中。

取材・文/吉永美和子

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