のん「私は、なにがあっても好きなことはやり続けたいタイプ」

2022.9.17 19:30

「女優・創作あーちすと」として活躍するのん

(写真8枚)

東京海洋大学名誉博士にして、タレントとしても活躍するさかなクンの半生をユーモアたっぷりに描いた映画『さかなのこ』。毎日見つめて、毎日描いて、毎日食べて・・・寝ても覚めてもお魚のことばかり考えている主人公・ミー坊を演じるのは、女優・のん。好きを突き詰めていくさかなクンに「シンパシーを感じる」という彼女に話を訊いた。

「重要なのは、続けたいのかどうか」(のん)

──のんさんが演じられたミー坊はさかなクンがモデルですが、その生き方からどんなことを学びましたか。

私もこれまで、好きなことを迷いなくやってきました。自分が「こうだ」と思ったことが、1番良いものなんだと考えるようにしているので。もちろん、映画などの作品を作るときはたくさんの方たちと一緒に作るので、「こうだ!」と思っても一旦ブレーキをかけて意見を聞き、化学反応を楽しみます。それでも、自分のやりたいことに関しては基本的にはノンストップでやっている気がします。

映画『さかなのこ』コメント特別映像【大ヒット上映中!】

──ミー坊は誰かになにを言われてもブレないですよね。そういう生き方ってなかなかできないことだと思います。

好きなものに対して見返りを求めていなくて、良い意味で一方的ですよね。「好き」というパワーだけで突き進んでいる。多くの人はどうしても他人の評価を気にしちゃう。私も、演技などを褒められるともちろんうれしいけど、もっと純粋な気持ちで物事に取り組みたいんです。

あと、見返りを求めすぎたり、評価を気にしすぎると、気持ちが病んじゃったりすることもあると思うんです。そうならないためにも、良い意味で一方的にやっていく方が楽しいんじゃないかなって。

©2022「さかなのこ」製作委員会

──本作『さかなのこ』のポイントは、そこだと思うんです。周囲を気にせずに好きなことを貫くのが理想だけど、大人になると生活が絡んできて、純粋さだけでは成り立たなくなる。好きという気持ちと現実にどう折り合いをつけていけば良いのか考えさせられます。

たしかに、好きなことで食べていくのって難しいし、大変です。なにより、自分自身で責任を負わなきゃいけないから。気持ちが切れてしまう瞬間も必ずあるはず。あと、創作するための発想がどこまで続くかという戦いも訪れる。重要なのは、それでもその仕事を続けたいのかどうか。

その結果、好きじゃなくなって離れることだってある。だけど、それは決して悪いことではありません。自分に合ったモチベーションでやっていくべきですよね。それが「折り合い」なのかもしれません。私は、なにがあっても好きなことはやり続けたいタイプ。エンジンもかけずに走り出すような感じで(笑)。

ミー坊を温かく見守る母(井川遥) ©2022「さかなのこ」製作委員会

──そんな自分を支えてくれる存在が周りにいるかどうかも重要ですよね。ミー坊のお母さんは、魚のことばかりで勉強が苦手なミー坊の長所を伸ばす育て方をします。

ミー坊に対する、お母さんの姿勢は本当にステキですよね。私自身もお母さんの存在が大きかったので、ミー坊がどれだけ救われていたかがなんとなく分かります。私もお母さんから、テストの点数が悪くても良いから、自分が楽しいと思うことを大事にしなさいって言われていました。

そのおかげで今、こうして好きなことに対して迷いなくやれています。「こうなってしまったら、どうしよう」という不安もほとんどないんです。

映画『さかなのこ』

2022年9月1日公開
原作:さかなクン
監督:沖田修一
出演:のん、柳楽優弥、夏帆、磯村勇斗、岡山天音、井川遥
配給:テアトル東京

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