朝ドラ・高畑淳子、五島ことばの練習中も「涙が止まらない」

2022.10.14 08:45

『舞いあがれ!』でヒロイン・舞の祖母、祥子を演じる高畑淳子 (C)NHK

(写真2枚)

東大阪で生まれたヒロイン・岩倉舞が、長崎の五島での生活を通し「空」にあこがれる姿を描いた連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK朝ドラ)。五島列島に住む舞の祖母・祥子を演じる高畑淳子が、コメントを寄せた。

朝ドラは『つばさ』(2009年)、『なつぞら』(2019年)に続き3作目となる高畑。出演が決まったときのことについて、「そりゃあもう、うれしかったです。『こういう役があるんだけど』と話をいただいてから、『どうなるかわかりませんけど、少し待ってください』と言われて何週間か待ちました。何人か候補がいらっしゃるんだろうなと思って、オーディション気分で待ちました(笑)」と振りかえる。

■ 自然とともに生きている人の言葉は深みがある

漁師だった夫が亡くなったあと、女手ひとつで娘のめぐみ(永作博美)を育てた祥子。なんでも自分でやって、自分の力で生きていくことをモットーにしている「スーパーおばあちゃん」だ。めぐみとは音信不通となっていたが、14年ぶりに再会。五島に残り、住みはじめた孫の舞にとって、良き理解者となっていく。

自然な老け加減が出るよう、地毛の白髪で役に挑んでいる高畑。祥子について、高畑は「五島にある海の資源と陸の資源を無駄なく使って無駄なく生きる、SDGsを難しい理屈なしに当たり前のこととして、おおらかに実践している人です。自分の娘と大げんかして14年も会っていないなど頑固なところもありますが、空を見て、海を見て暮らしている人の強さがあり、発する言葉に深みがあります」と分析。

第8回より。桟橋にて、祥子にあることを聞く舞。左から、才津祥子(高畑淳子)、岩倉舞(浅田芭路)(C)NHK

「五島ことばが難しかったので、練習をしながら何度も何度も読んでいると、気づくとティッシュの山ができている ほど、涙が止まらないんですよね。たとえば『変わりもんば、変わりもんとして堂々と生きたらよか。周りに合わせんでよか。自分ば知っとる人間が1番強かけん』という台詞があるのですが、これも五島の言葉で言うからいいんでしょうかね。標準語で『自分を知ってる人間が1番強いからね』とか言われても、カッチーン! となるかもしれませんよね。海の潮の流れや、空の気候など、あらがえない自然とともに生きている人の言葉だからでしょうね」と、五島ことばについて語った。

■ 台本を読むたびに、胸が詰まるような気持ちに

また今作について、高畑は「いまの世のなかはとても生きづらいと感じる人が多いと思いますが、この作品には『もう少しうまく楽に生きられるはず、もっと違う観点があるのではないか』といった問いかけが込められていると私は思います。脚本家のおひとりの桑原亮子さんが、中途失聴による重度の聴覚障害がおありだと知り、だから言葉を紡ぐというなりわいに、ご自身のいろいろなことを詰めておられるのだなと思いました」とコメント。

そして「台本を読むたびに、胸が詰まるような気持ちになったんです。いろいろなことにぶつかりながらも生きなければならないことを体感なさっている方なんだなと思いました。人生っていろいろなことにぶつかりながらも生きていかなければならないもの。朝ドラは『今日もがんばるぞ!』と思ってもらうような役割もあるんだろうなと思いました」と語った。

放送はNHK総合で朝8時から、BSプレミアム・BS4Kでは朝7時半から。土曜日はその週の振りかえり。

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