時代は豆腐屋でイートイン、神戸の最先端「豆腐ショップ」事情

2022.10.30 20:15

「奴YACCO|感じのよい豆富店」のイートインメニュー「豆富八種盛合わせ」(1100円)

(写真10枚)

神戸三宮に豆腐専門店「奴YACCO|感じのよい豆富店」(神戸市中央区)が10月11日にオープン。豆腐屋では珍しいイートインスペースが設けられており、SNSでも「お洒落だけどちゃんとおいしい」と話題に。その全貌を探るべく、オーナー神原さんに話を訊いた。

■ 「本当にお豆腐屋さんなのかな・・・?」

藍色の暖簾がかかるものの、豆腐屋とはすぐにはわからないシンプルな外観。店内にはがらんとした空間に巨大な石(!)が置かれ、カウンター奥の作業場には格子状のブルーのライトが光る・・・。ここは豆腐屋なのか? と一瞬ひるむものの、左手にある冷蔵庫にはさまざまな豆腐が並んでいる。

豆腐専門店「奴YACCO|感じのよい豆富店」の内観

豆腐は、国内在来種の白大豆と青大豆を使用して、ニガリをできるだけ少なくおさえた全7種類がスタンバイする。シンプルな「湯葉豆富(378円)」のほか、「ハーブ豆富」や「とうもろこし豆富」(ともに378円)などの珍しいものもあり、全種類を食べ比べできる「豆富八種盛合わせ」(1100円)がイートインスペースでいただけるというので、注文してみた。

■ 実際に食べてみた「組み合わせが、無限大!」

天井いっぱいに茂る木を囲むように作られたテーブルで待つと、8つの小鉢が乗ったお盆とお味噌汁の入ったお椀が運ばれてきた。豆腐の種類と調味料がわかるカードが添えられているので、味わいながら好きな豆腐が確認できるのがうれしい。

豆腐屋とは思えないスタイリッシュな店内。手前にあるのはイートインスペース

個人的には、「柚子豆富」に薩摩名産「かつおみそ」(686円)をのせ、佐賀の「マツキンポン酢」をかけたもののおいしさに新鮮な驚きがあった。また、濃厚でもクセが少ない豆乳(青大豆豆乳275円、豆乳220円)や、ビール、日本酒とともにいただくこともできる。

「『豆富八種盛合わせ』で豆腐ごとに合う醤油を提案しているので、ご家庭でそのまま再現してもらえれば」と話すのはオーナーの神原さん。冷蔵庫の横には、実際に足を運び、選んだという関西では見慣れない九州の醤油が並ぶ。

豆腐との相性を考えてセレクトされた醤油やポン酢など

■ 豆腐界に新たな旋風?

豆腐を味わっている間に、次々と客がやってきていたのだが、女性やファミリーはもちろん、男性ひとりや2人組もいて、豆腐屋にしては幅広い。豆腐は植物性たんぱく質が豊富なため、運動やファスティングのあとの食事として立ち寄る人も多いのだとか。

豆腐専門店「奴YACCO|感じのよい豆富店」の外観

そんななか、1歳の子どもがとうもろこし豆腐を「もっともっと」とパクパク食べる姿も微笑ましく、内装はクールでもほっこりした空気が流れる。「最近は食卓の味がどんどん濃くなって、豆腐がサブ的存在になっているんで、もったいないですよね。日本の文化だしメインにしていきたい」と、神原さんは意気込む。

場所はJR三ノ宮駅から東に徒歩約10分。営業時間は朝11時から夜7時半、日曜定休。

取材・文・写真/太田浩子

「奴YACCO|感じのよい豆富店」

住所:兵庫県神戸市中央区琴ノ緒町1-6-9 アルパ三宮1F
時間:朝11時~夜19時30分(日曜定休)

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