菊地成孔率いるオルケスタ、3年ぶりに関西公演「祝祭の全開放」

2022.11.10 20:45

「菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール」過去公演の様子

(写真4枚)

大反響を呼んだNHKドラマ『岸辺露伴は動かない』の音楽担当としても注目を集めた、サックス奏者・菊地成孔。彼が率いるオルケスタ、菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールが、3年ぶりに関西公演を開催。11月18日に「スタジオパルティッタ」(大阪市住之江区)、19日に「KBSホール」(京都市上京区)にておこなわれる。

1984年にTHE FIFTH DIMENSIONのバックバンドでサックス奏者としてプロデビューした菊地成孔。その後、山下洋輔グループやティポグラフィカ、グラウンドゼロなどに参加。

2004年からは東京大学、東京芸術大学、慶應義塾大学などで主にジャズに関する教鞭を執る一方で、DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN、SPANK HAPPYなどのバンドを率いて、精力的なリリースとライブを展開。さまざまなメディアでポップカルチャーから政治まで縦横無尽に語る批評家・文筆家として活躍するなど、カリスマ的支持を集めている。

「菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール」は、菊地のサックス&ヴォーカル&コンダクツ以下、2パーカッション、ハーブ、弦楽四重、ピアノ、ベース、バンドネオンで構成され、その時々でゲストにポピュラーミュージックのシンガー、オペラのソプラノ、アンダーグラウンドのラッパーなどが召還される、世界でも類例のない異形の混血系オルケスタだ。

結成から早25年、マンボやタンゴといったラテンラウンドと映画音楽、現代音楽、即興音楽、アフリカ音楽、オペラ、ミニマルミュージック、サルサ、ヒップホップなど、あらゆる音楽を前衛的に融合したセンセーショナルかつ官能的なサウンドと世界観で、場末のクラブからクラシックのコンサートホールまで、さまざまな場所で多様な観衆を熱狂させてきた。

大阪・名村造船所跡地の「STUDIO PARTITA」

全国でも関西のみとなる今回の2公演は、ドープな雰囲気漂う大阪のライブスペース「スタジオパルティッタ」がスタンディング、荘厳な雰囲気に包まれる京都「KBSホール」が全席指定と、全く異なるロケーションでおこなわれ、それに準じてセットリストも微妙に異なる予定だという。

本公演について、菊地成孔は以下のようなメッセージを寄せている。

「ただただ、生きることだけでも大変な辛苦が必要な世の中になりました。我々がこの四半世紀、何をみなさまにお届けするために演奏活動をしているかは、今更申すまでも御座いません。四半世紀前からのご贔屓から、動画でのみ見たことがある、というお若い方々まで、我々の音楽にはあらゆる区別は存在しません。ただあなたが、官能と浄化、生きる喜びと死の甘さを渇望されればこそ。逢瀬の愉しみと祝祭の全開放。それは初冬の生々しい寒さと共に。」

ままならない時代だからこそ、エロスとタナトス渦巻く音楽に、しばし酔いしれたい。チケットは18日の大阪公演が6500円、19日の京都公演が7000円。

文/井口啓子

『菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール コンサート2022 AW』

日時:2022年11月18日(金)・19:30〜
会場:STUDIO PARTITA(大阪市住之江区北加賀屋4-1-55 名村造船所跡地)
料金:6500円(オールスタンディング)

日時:2022年11月19日(土)・18:30〜
会場:京都KBSホール(京都市上京区上長者町 KBS京都放送会館 1F)
料金:7000円(全席指定)

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