実はリサイクル不可のピザ箱、 清掃員芸人が語る分別方法に驚き

2022.11.3 07:15

宅配ピザの箱、どう処理してる?

(写真3枚)

ネットや電話で簡単に注文できる宅配ピザ。コロナ禍をきっかけに利用する人も増えただろうが、食べ終わったあとの箱をどう処理している? ピザの空箱は段ボール製ということもあり、つい古紙として出してしまいそうになるが、実はNGなんだとか。

お笑い芸人・マシンガンズのツッコミ担当で、ゴミ清掃員としても働いている滝沢秀一さんが10月24日、「こういう感じでよくダンボールに混じってピザの箱が出されています。ピザの箱は油が付いているので再生できません。リサイクルに協力しようというお気持ちだけ受け取りますね!」とツイート。

すると、リプ欄に「古紙屋ですが本当によろしくお願いします」「がーん!そうだったのか!」といった声が続々と集まり、やはり「ピザの箱=古紙」と認識している人も多いようだ。

■ 分別間違いは、清掃員の負担となる

普段からSNS上でごみの分別に関する投稿を積極的におこなっている滝沢さん。今回のツイートについて、「ピザの箱は油や食べかすが付着していることから、リサイクルには利用できないんです」と話す。そのため、資源ごみではなく「可燃ごみ」として出す必要があるという。

ピザを食べたあとの箱。確かに油や食べカスが・・・油や汚れの付着具合とは関係なく、ピザ箱は可燃ごみで出すことをおすすめする

滝沢さんによると、実際にピザの箱が資源ごみとして出されているケースは多いそう。間違った分別がされていると、負担は清掃員や処理業者にかかってくる。滝沢さんはさまざまな地域で回収を担当しているが、地域によっては「回収できないごみにシールを貼って置いておく」というルールがあり、その場合はいちいち運転席にシールを取りにいく必要がある。

また、別の地域では分別を間違えているごみを置いていくとクレームが出るということで、通常の段ボールとは分けて車内に持ち込み、紙の回収業者に持って行ってごみ箱に入れるといった対応をすることも。いずれにせよ、作業の手を止めてしまい、タイムロスに繋がってしまうのだ。

■ 自治体で違いはあるが、基本的なルールは同じ

滝沢さんの投稿に寄せられた「地域によってルールが違う」との意見。たしかに、全国には自治体が1700以上ありゴミ出しのルールはそれぞれ異なる。しかし、基本的に油や異物を含んでいるものは回収できないため、あえて「ピザの箱を古紙で出してほしい」という自治体はまず無いと考えていいだろう。

滝沢さんも「仮に『多少の油なら、付着していても古紙として出してもOK』という自治体があったとしても、そのうち食べ物が付着した状態で出す人も出てくるでしょう。そうなると結局判断が難しくなるので、歓迎はされないと思います」と指摘する。

そこで、大阪市の公式サイトに掲載されている「古紙・衣類の分別収集」を確認してみると、やはり「油や食べ物の残りかすが付着した紙(ピザの箱など)」は回収の対象外だとはっきり記載されている。

ほかにも「内側がアルミコーティングされた紙パック」や「においの付いた紙(洗剤や線香の紙箱、石鹸の包装紙など)」など意外なものがリサイクル不可ということが分かり、普段のごみ捨てを見直すきっかけにもなった。

かさばるピザ箱も、水に濡らして潰すとこんなにコンパクトに! そのあとは乾かして可燃ゴミでポイ

ちなみに、かさばるピザの箱は可燃ごみに出す際、ちぎったり分解するのに苦労する。そんなときは箱を水に濡らせば、手のなかに収まるサイズにまで小さくでき、その後乾いたら可燃ごみとしてスペースを取ることなく捨てられるので、一度試してみてほしい。

取材・文/つちだ四郎

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