板尾創路「新しい演劇の関わり方」と力説、関西演劇祭の魅力

小演劇の祭典『関西演劇祭』のフェスティバル・ディレクター・板尾創路
「関西発信でスターを発掘する!」というコンセプトで2019年より始まった小演劇の祭典『関西演劇祭』。4回目を迎える同イベントについて、フェスティバル・ディレクターとして同祭典の立ち上げから関わる、芸人で俳優の板尾創路に訊いた。
取材・文/岩本
■「同じ舞台は2度とないと思います」(板尾創路)

──2019年から始まった『関西演劇祭』ですが、過去3回開催され、どのような成果がありましたか?
1公演で2劇団を観られるのですが、ひとつ目の劇団のお芝居が45分あって、その直後にティーチインがあって、そしてまた2つ目の劇団の上演とティーチインがあって、というパッケージで3年やりまして、だいぶ定着してきました。僕たちもお客さんと一緒に客席で観るのですが、新しい演劇の関わり方という意味で定着していくなという実感がありますね。
──上演直後に審査員や観客の意見・感想を、ダイレクトに出演者や演出家らが聞くティーチインですが、劇団側の方々はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
ティーチインで出た意見や感想は当然、作っている側としては意識するでしょうけど、かといって自分たちが持ってきた作品を変えなきゃいけないということでもないと僕は思います。ただ、どうしても人間がやることなので、ティーチインで話題に触れた部分に関しては意識してしまうところもあるでしょうし、それはもうしょうがない。

──観客としては、その変化を感じられるのもおもしろいと。
期間中は1劇団が3回上演するので、3回とも観て細かく変化していく様子を見るのもおもしいと思います。閉会式を除くと8日間ありますので、時間が許すのであれば何日間か観ていただきたいですね。劇団の組み合わせによっても見え方が違ったりするので、作品自体はもちろん変わりませんが、同じ舞台は2度とないと思います。
■スペシャリストが支えている関西演劇祭

──立ち上げからスペシャルサポーター(審査員)として参加されいた行定勲監督と西田シャトナーさんは、板尾さんにとっても力強い存在だったのではないですか。
西田シャトナーさんは惑星ピスタチオ(1989年~2000年)という劇団で、関西小劇場ブームのなかにおられて。今は東京に移って2.5次元系の舞台演出を中心にやられているので、それはもう申し分ない(存在)。僕らが観ていないものもたくさん観ていますし、お芝居に対する思いが本当に「ザ・演劇」という感じで熱くて。今年はスーパーバイザーとして関わっていただきますが、劇団の人たちも西田さんが客席に座ってくださっているだけでうれしいのではないですかね。
──西田さんはティーチインでも、作品の見どころや舞台作りの考え方を的確に指摘されますよね。
そうですね、いろいろ深読みもしてくださるし、僕たちとはやっぱり見るところが違うというか、疑問の持ち方も違います。
──行定監督も、熱を持って参加されていた印象です。
行定さんは映画監督ですが舞台の演出もされていて、ハイブリッドでやられる方で。映画監督から見た舞台での演技のあり方とか、構成、見せ方とかもあるでしょうし、行定監督に見てもらうというのも貴重な体験だと思います。すごくいいおふたりにSPサポーターをやってもらえたと思います。
■実行委員長に笠井アナを「スーパーな観客として適任」

──そんな3年を経て、今回はスペシャルサポーター(審査員)を一新され、2.5次元ミュージカルを手がけるプロデューサー・野上祥子さんと映画監督の三島有紀子さんが就任されました。特に野上さんは制作という目線でも観られるのではないかなと思うのですが。
制作側から見た目線は、今までになかったわけではないですけども、大きくウェイトを占めていたわけでもなかったですね。これまではどうしても男性中心になりがちなところがあったので、三島さんもそうですが、女性のSPサポーターが増えていいなと思います。三島さんも映画監督であられるので、どう感じられるのかなと楽しみです。
──そして、今年の実行委員長はフリーアナウンサーの笠井信輔さん。これまででもっとも観客目線が強い方が就任されたのではないかなと思い、ますます『関西演劇祭』が開かれたものになる気がしたのですが、なぜ笠井さんに委任されたのですか?
歴代の実行委員長がキムラ緑子さん、羽野晶紀さん、吉岡里帆さん、と全員女性だったので、今回は男性がよいのではというのがひとつ。あと、前から僕も笠井さんがいいのではと思っていました。
──板尾さんの後押しがあったんですね。
笠井さんは大劇場から小劇場までまんべんなく、年間100本以上の演劇をご覧になっていて、作る側でも演じる側でもない、まさに観客側にいる人。かつアナウンサーなので、ちゃんと言葉に表現できるという点が、お客さんのなかでもスーパー的存在だと。なかなかいないですよね、きちんとしゃべれる人というのは。ちゃんと伝えることができる人という意味におきましても、適任じゃないかなと思います。

──笠井さんは記者会見で早くも「来年もやりたい」とおっしゃっていましたね。
『関西演劇祭』のことは前からご本人の耳にも入っていたみたいで、かねてから「やりたい」とおっしゃっていたようです。「来年も」ということなので、来年はもうがっちりスケジュール空けてもらって、初日から千穐楽まで全日、会場にいてくださいとお願いしようと思います(笑)。
──そうやって東京の方からラブコールがあるということも、『関西演劇祭』が定着している証ですね。
いろんな人に伝わったんだなと思いますね。何でもそうだと思うんですが、知名度がないと。まずは存在を知ってもらわないと。劇場でお芝居を観ると、言葉にできない感動とか感じ方もありますから、『関西演劇祭』をいろんな人に知ってもらって。観に来てもらいたいですね。
■東京にも広がるティーチインの可能性

──今年3月には東京で、これまでに最優秀作品賞を受賞した劇団や話題となった劇団によるスピンオフ企画『関西演劇祭 in Tokyo』も初開催されました。
東京とはいえ関西でやってきたことと同じなので、普通にティーチインもやりましたけど、東京の人はあまり知らないので、ティーチインでいきなり僕が客席でしゃべり出すとびっくりされて(笑)。
──東京でも、ティーチインは珍しいのですね。
でも、劇団の人とのやり取りとかは新鮮だったと思います。審査員とやり取りをしているうちに、ちらほらお客さんから手を挙げる人が出てきて、感想や意見を言ってくれるようになって。
──関西と同じく、その魅力に気づいたと。
発言しなかった人も、終演後に「中身の事が聞けて、今までにない感じで楽しかった」とか、「このサポーターさんはこう見てたんだ。俺はこうだった」というご意見をたくさん聞きました。ここでも演劇の新しい楽しみ方を提示できたという手ごたえを感じましたね。『関西演劇祭』で評価の高かった演目だったのでクオリティも高かったですし、よかったです。
──劇団にとってもご褒美のような場だったんですね。
(新宿エリアを代表する小劇場)「新宿シアタートップス」で上演できるというのも、自力でやるのはなかなかハードルが高い場所ですから、舞台をやっている方からすると感慨深いものがあったと思います。

──『関西演劇祭』には、「こんな劇団がいたんだ」と発見する喜びもありますね。
そうですね、複数の劇団の作品を観てもらうことで、好きな劇団が増えて本公演を観に行ったり、好きな役者さんが見つかって、またその人を観にいくとか、そういうふうに広がっていけばいいなと思いますし、出演していた人がメディアで活躍するのもうれしいです。いろんな楽しみ方ができると思うので、まずは劇場に来ていただいて、体感していただくのが一番だと思います。だまされたと思ってぜひ、来てください。
『関西演劇祭2022』は11月12日から20日まで、「COOL JAPAN PARK OSAKA SSホール」(大阪市中央区)にて開催。チケットは1公演につき一般4000円、学生3000円(当日は各500円増)、ほか複数公演のある日は格安の通し券も販売される。
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