洗濯機が爆発!? 防水衣類や毛布など…注意すべきことを聞いた

2022.11.20 09:15

洗濯をするときは要注意!

(写真2枚)

先日、「洗濯機から爆発音と警報音が鳴り響いたから慌てて見に行ったら、本当に爆発状態やった」という破損した洗濯機の写真付きの呟きがSNSで拡散された(現在は削除済み)。

ツイートしたのは、大阪を拠点に活躍するフリーアナウンサーの高木聖佳さん。「大きめのウィンドブレーカーを2枚と、ジョギングパンツ1枚を全自動で洗いました。ガタガタと音が鳴っていたのですが、ほかのことをしていてそのままにしてしまい、壊れてしまいました」と、当時の状況を教えてくれた。

今回のケースは洗濯ネットに入れて洗濯していれば避けられた可能性があり、レアケースではあるそうだが、防水用の衣類などを洗濯機で洗濯すると、今回のような事故が起きることは十分にあり得る。各メーカーも取扱説明書にその旨を明記し、注意喚起をおこなっているが、SNSでは「知らなかった」という声も多く上がった。

■ なぜ「防水用の衣類」は、洗濯機が使えないの?

話を訊いたのは、製品事故に関する情報を調査、分析し、再発防止やリスクの低い製品開発に向けて必要な情報を発信する機関「nite」の製品安全広報課・山崎卓矢さん。

山崎さんによると、「防水用の衣類などは脱水時の高速回転で、水が衣類を通り抜けないため、水の入った袋状になってしまい、重量バランスが崩れて異常振動が発生。そうなってしまうと洗濯機全体が大きく動いて周囲の壁等に衝突したり、壁等がない場合は転倒してしまったりすることがあります」と、事故が起こるメカニズムを解説。

防水用の衣類を洗濯し、破損寸前の洗濯機(写真提供:高木聖佳さん)

これまでにも同機関には、「防水性の洗濯物(シャワーカーテン)を洗濯したため、脱水時に回転が不安定となって異常振動し、転倒」など、防水加工が施された製品の事故の報告が多数上がっているという。

そのため防水加工が施された製品の洗濯について、「基本的には手洗いかと思いますが、製品の素材などによっても異なると思いますので、衣類等の表示や取り扱いに従っていただければと思います」と呼びかける。

■ 冬に大活躍「毛布」の洗濯も要注意!

これから寒くなってきて活躍する「毛布」の洗濯も注意が必要だそうで、「毛布など大型の衣類は畳んだまま積み重ねて洗濯すると、それが脱水時に崩れた際、重量バランスが崩れて防水用の衣類等と同様に異常振動の原因になります。洗濯ネットを利用するよう取扱説明書に記載がありますが、洗濯ネットのサイズも1辺40cm以下など大きさを制限している洗濯機もあります。説明書をよく読んで洗濯をお願いします」とのこと。

寝袋、自転車・オートバイ用カバー、シャワーカーテン、テントのフライシートなどは、取扱説明書にて洗濯機の使用が禁止されているので注意を。

ほかにも、「縦型洗濯機や二槽式洗濯機では、経年劣化で洗濯槽や脱水槽のブレーキが壊れていて回転がなかなか止まらない場合があります」と山崎さん。回転が止まらない状態で洗濯物を取り出そうと手を入れてしまうと、指や腕が巻き込まれて骨折等大きな事故に繋がることがあるという。

乾燥機付き洗濯機では、油分(アロマオイル、食用油、ワックス等)を多く含む衣類を洗濯してしまうと、乾燥時の熱風と油分の酸化熱で発煙・発火する恐れも。「洗濯槽にそれらを入れて放置するだけでも酸化熱のみで発火する場合もあります」と、注意を呼びかける。

意外と知らない洗濯機の使用上の注意。洗濯機の取扱説明書をよく読み、洗濯表示をしっかり確認するよう心がけたい。

取材・文/野村真帆

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